災害対策についてのお話(参議院議員 朝日 健太郎さん)

今回は、ビーチバレーで五輪出場経験がある朝日健太郎参議院議員に、主に災害対策についてのお話を伺いました。


えびさわ:文京区議会議員えびさわけいこ
朝日議員:参議院議員 朝日健太郎さん


対談の様子はこちらからご覧いただけます

-バレーボールとビーチバレーボールで五輪に出場

(以下 えびさわ)私は朝日さんを「バレーボールの朝日さん」だとずっと思ってきたのですが、この夏にお手伝いをした参議院選の個人演説会で熊本の被災の話をされていて、その話がすごくジーンときました。今日はその辺の話からお伺いしたいと思っています。まずは朝日さんの自己紹介をお願いします。

参議院議員 朝日健太郎さん(以下 朝日議員):先の参議院選で、2期目の当選をしました朝日健太郎と申します。もともとはバレーボールとビーチバレーボールの競技のアスリートで、オリンピックの出場経験が2回あります。東京2020大会を数年後に控えていた私が選挙に出たのが2016年です。競技を引退してから様々な社会活動をしていく中で「選挙に出ないか」とお声がけをいただき、「政治の世界で社会を変えていく」そんな想いにたって挑戦しました。

-故郷の震災を経て考えた政治の役割

えびさわ6年前に立候補しようと思ったきっかけは何ですか?

朝日議員:オリンピックを成功させたい気持ちもありましたが、根底にあったのは、ふるさと熊本で起きた地震ですね。地震の復旧のお手伝いをしていく中で、政治の役割というのを強く感じたので、政治家を志しました。よく「アスリートからなぜ政治家になったのか」と聞かれるのですが、タイミングと災害の経験が重なったものだと思います。

えびさわ:参議院選の時に熊本地震のお話、それからご家族への想いをすごく熱く語られました。いま日本は災害国とか地震大国といわれていますが、今後、日本はどのように災害対策をしていけばいいとお考えでしょうか。

朝日議員6年間の国土交通行政にも関わってきた経験からお話します。災害にどう立ち向かっていくのか、仮に災害が発生した時にいかに速やかに復旧していくのか、誰一人の命も落とさない、そんな事を考えた街づくりに努めてまいりました。その中で感じることは、まず地震に関して言えば、首都直下地震がむこう30年間で70%の確率で発生するだろうと。それが関東大震災クラスならば5万人近い方がお亡くなりになるという予測が立っているのですね。

えびさわ:かなりシビアな予測ですね。

朝日議員ハード整備で一定程度は街を守れるのですけれども、それだけでは限界があります地域コミュニティの中で日々の危機意識の共有、災害時での命を守る速やかな避難行動、以上の2点が大事です。さらに言えば72時間の壁というものがありまして、地震が発生した時にいかに個人で3日間しのいでいただくか、そのための平時からの備えが非常に重要だと考えています。ぜひ、えびさわさんにも、地域に対してそういった危機意識を常に持っていただくことが、災害から国民の皆さんの命を守るために非常に重要だと思います。

-災害教育について

えびさわ:今、文京区でもコロナ渦のためなかなか避難訓練ができず、リモート避難訓練ということで、「防災王」を始めました。クイズ形式で防災知識が身に付くオンラインのイベントです。そしたらたくさんの小学生が応募してきて、最初は1回で100人だったのですが、1日3回募集しても埋まってしまいました。これまで避難訓練の参加者は町会の方が多かったのですが、小学生や中学生も興味を持ってくれたので、やって良かったです。

朝日議員:私には小中学生の子どもが二人いて、学校から防災意識を高める本やプリントがいろいろと配られていることを、子育てをしていく中で感じます。さらに、今おっしゃったように参加型の避難訓練というのも、子どもたちにとってはいい経験になりますよね。今の話を聞いて1つ思ったのが、我々大人たちは一定程度、避難訓練への耐性ができている点がありません?

えびさわ何となくありますね、「あっ、非常ベルが鳴っている」って

朝日議員:「またか」みたいな。大人はそういった危機意識がおろそかになりがちじゃないですか。ただ子ども達はその点では非常に純粋なので、仮に避難警告が出たときに速やかに行動に移してもらえるのではないかなと。我々大人も子どもたちと防災対策を日頃から一緒にしていくのは、非常に重要かもしれないですね。子どもたちが先に「逃げよう」って言ってくれることにも期待しています。

-避難所について 解決すべき数々の課題

えびさわ:5年前に私が提案して今度初めて実現するのですが、避難所って誰も泊ったことがないじゃないですか。なので、10月に体育館に泊まってみましょうって宿泊避難訓練を行います(注)。20組の募集のところに200人近い応募が来て、抽選をおこなっているところです。どんな訓練になるのかを、とても楽しみにしています。
(注:対談は令和4年8月に行われました。えびさわが提案した「宿泊避難訓練」は令和4年10月に無事に終了しました。今後は訓練でわかった見えてきた課題の解決を進めていきます)

朝日議員避難所の運営というのは、地域の社会福祉法人や行政の皆さんが速やかに立ち上げなければいけなくて、スキルが必要なのです。場所は近くの小学校の体育館、公民館だとかを想像すると思うのですけれども、そこのオペレーションが非常に難しいのです。受け入れる側の行政やボランティア側の訓練も必要ですけれど、実際に地域の方々が体験してみるというのが非常に有効だと思います。そこで見えてくるものはある気がします。

えびさわ:きっとあると思います。体育館に泊まったら、体育館の床はこんなに硬いのかとか、こんなに大変なのかというのも分かっていただけるのではないでしょうか。今年初めて行うのですが、できれば毎年実施していきたいなと考えています。

朝日議員これまでの議員としての活動の中で、避難所の運営にもいろいろな課題が届けられますし、解決にも努めてきました。特に印象的なのが、避難所の中でも女性特有の課題ですが、相談窓口を設ける等のきちんとフォローした運営をすべきです。これは我々男性だとなかなか気づかない部分がありますね。あとは、についてですね。電子機器がいかに避難所で活用できるかというのもあります。また、都市部であればペットが課題に挙がりますよね。地域の皆さんで、もし仮に避難所生活をすることになったときにどうするのか、について議論をしっかり詰めておく必要がありますよね。

えびさわ:文京区に1か所だけドッグランの公園があるのですよ。そこはペットの避難場所として使えるようにするとか。分けなければいけないと考えているので、ペット同伴ができる避難場所は大事です。

朝日議員:あとはただ今、避難所の熱中症対策に関する立法に向けて準備しております。避難所として想定される学校の体育館などにエアコンをしっかり設置していこうと考えています。東京23区内は公立の小中学校のエアコンの設置率というのが非常に高いのですが、文京区はいかがでしょうか?

えびさわ:設置率は高いです。恐らくどの学校にも入っていると思います。

朝日議員:そうですよね。ただ全国的にみると、まだまだ予算的に避難所として想定される体育館のエアコン整備が進んでいないので、こういった点もしっかりとやっていきたいです。

えびさわ:10年前の議員になってすぐの頃に、「体育館にエアコンを取り付けるべきだ」とずっと訴えてきたのですが、最初のころは見向きもされませんでした。しかし、東日本大震災の時に見直されました。

-避難所について 解決すべき数々の課題

えびさわ文京区は神田川があるので、水害も問題になっているのですよ。

朝日議員:東京都は基本的に水害対策の考え方として、1時間に50ミリの降雨量でいかに水害を出さないかの対応策です。昨今のニュースでは1時間当たり70ミリ、80ミリ、100ミリみたいなケースも増えています。1時間に100ミリは、滝を浴びているような状況ですから、どんなに水害対策をしても防ぎきれないかもしれませんが。我々も河川整備をしていきますが、地域の皆さんにはせめてソフト対策ですね。いかに避難をするか、そして避難指示・警告がでた時にいかに命を守る行動を取るか、の2点です。まずは個人でしっかり準備していただきたいですし、次は地域で協力しながら常に意識していただくことが重要だと思いますね。

えびさわ:まだまだ垂直避難の場所が少ないので、それもこれから対策を練らなければ、と考えております。ぜひこれからもいろいろなアドバイスをいただきたいですし、情報交換もしていきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

朝日議員:地域の避難訓練もですが、もしもえびさわさん中心に災害に関するいろいろな活動があれば、お声がけいただけたら、多少私も協力できるので。私が立てばそこが避難の目印、みたいなものでもいいですよ(笑)。

えびさわ:ぜひお願いします。どこにいても見えますね。

朝日議員:常にそういった活動につないでいく、皆さんに参画していただくというのが重要ですね。

えびさわ:ただやるのではなく、皆さんに楽しんで頂きつつも、実際の災害時には気を引き締めて、訓練で学んだことが身に付いていけばいいなと思います。

朝日議員:そうですね。私も東京に住んでいるのですが、人口密度が多いとやはりどうしても地域の人とのかかわりが希薄になりがちですし、お隣さんの顔を見られないともよく言われています。一方で文京区ももちろんですが、お祭りがあったり、商店街や町内会があったり、そういった地域コミュニティをしっかり維持していくというのが、これからますます優先性が高まっていくと思いますね。平時であれば笑顔のつながりがあり、もしもの時には皆さんで協力していくというのが、本当にこれから重要になるのではないでしょうか。

えびさわ:はい、本日はお忙しい中、ありがとうございました。

ライター 乙部 雅子

災害はいつ起こるかわかりません。日頃からの備えが大切です。


参考リンク