参議院議員 丸川珠代さんに聞く、日本の課題と未来。

今回の『対談!えびさわけいこが聞きました』は、
ご自身も子育て、介護に取り組みながら、日本のために日々奮闘する参議院議員の丸川珠代さんに、
女性の活躍やICT教育など、我が国の課題と未来について聞きました。


えびさわ:文京区議会議員えびさわけいこ
丸川議員: 丸川 珠代さん


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-環境大臣やオリパラ担当大臣などを経験

(以下 えびさわ)働きながら子育て、そしてお母さまの介護もしていらっしゃる丸川先生。先生は、国の多くの職務を務めていらっしゃいますね。

丸川珠代さん(以下丸川議員):2015年に環境大臣を務め、その後オリンピック・パラリンピック担当大臣を二度経験しました。

えびさわ:そうでしたね。

丸川議員:二度目は、まさに「女性の活躍」を真摯にとらえることが課題となった交代劇でしたので、その後に行われた「世界女性デー」で、IOCと共同で声明を出しました。また、私はずっと社会保障政策に取り組んでおりまして、社会保障制度調査会の幹事長を務めています。厚生労働の分野は私のライフワークです

えびさわ:すばらしい!お母さまの介護が活きていらっしゃるのですね。

丸川議員:はい。ただ、この高齢化社会では地域医療包括ケアでやっているような医療と介護を一体として進めていくことの重要性がなかなか浸透していないため、もっと現場で街づくりと一緒に医療と介護をセットで考えていくことが必要です。

 

―女性活躍の鍵を握る「デジタル人材」

えびさわ:先生は自民党女性活躍推進特別委員会の委員長でもいらっしゃいますね。

丸川議員:はい、コロナ禍では母子世帯を中心に、女性が大変厳しい環境に置かれてきました。特にパートタイムや非正規の立場の方は、働く場を失い、経済的に危機に陥ってしまった。この女性たちをサポートするために提言し続けてきたのが、自民党女性活躍推進特別委員会です。

えびさわ:素晴らしい取り組みですね。

丸川議員:また、私は母子寡婦福祉議連におりまして、ひとり親の世帯を応援しています私自身が母子家庭で育ったこともあるので、この組織を通じて、学用品の準備や年越しの準備が必要な時期に、国からのお金が出るよう、財務大臣、厚労大臣の所に通い続けておりました。

えびさわ:近年、ひとり親世帯への補助が手厚くなっているな、と感じています。

丸川議員:まだコロナ禍の影響が残っている中で、政府の経済対策が隅々まで行き渡らせるには、現場を知る区の行政の皆さんが先頭に立って、財政面の支援などを行っていただくことが大事だと思います。

えびさわ文京区でも「子ども宅食プロジェクト」という事業で、定期的にサポートをしています。昨年年末にちょっとしたケーキを届けて、それがすごく喜ばれたと聞いています。

丸川議員:良かったです。なんとかコロナと共に生きていくという状況で、今、女性は構造的に賃金格差が生じている。これは大学卒であっても、生涯賃金や例えば50歳位までの賃金を見た時に、明らかに男女間で大きな差があるのです。役職に賃金が付いていて、役職は勤続年数で一定の評価をされる。ここがハンディキャップになっているので、構造的に格差を解消していきたいです。

えびさわ:特に女性は子育てや介護で休職したりする方が多いので、休職しないですむような仕組みが出来たらいいですよね

丸川議員:働き続けられる環境を作るために、保育園の待機児童を解消が進んできましたけれども、それだけじゃなくて、女性のスキルアップも必要です。

えびさわデジタル人材は重要ですよね

丸川議員:はい。これからの時代に、女性がデジタルスキルを身につけることが、女性が構造的な格差から解消される上で大きな意味を持つと考えています。そのため、国の方から地方にお金を渡して、研修をしていただいております。

えびさわ:文京区でもそれをやりたいなと思って、昨年に提案したのですが。いろんな考えの方がいるので、通らなかったのですけれど……。これからも声をあげていきたいです。

丸川議員:心強いです。

 

―出産後も働き続けられる環境づくり

えびさわ文京区は今年、やっと待機児が2人になりました

丸川議員:素晴らしい!

えびさわ:はい、働き方も変わったので、お迎え時間をもう少し遅くに延ばしてあげたい、と思います。

丸川議員:本当にそうだと思います。今、東京都独自の設置基準を満たした認証保育所は、折衷する事業者や地域によって夜8時~10時位まで預かってくれるところがあり、柔軟な対応ができます。それに比べて区立の保育所の対応というのはなかなか難しいと思うのですが、今後女性が活躍していく上で、いざという時に対応できる柔軟さがあると素晴らしいですよね。

えびさわ:そうですよね。
やっぱりフルタイムで働いて、その後お迎えに行ける。通勤時間もありますから、それを考えて何とか6時から7時までは延ばして欲しいなって
フルタイムで働き続けられれば、それだけ収入も安定するので、そこは何とかしていきたいです。

丸川議員:出産・育児をサポートする環境が職場や地域にないと、非正規のトラックに移ってしまう。すると、とたんにこのワニの口のように賃金格差が開き、なかなか正社員にも戻れないという構造が現状です。解決策を各方面から考えていきますので、よろしくお願いします。

えびさわ:そうですね、一緒にやらせていただきたいです。あと、先生は息子さんがいらっしゃいますが、出産・育児についてどうお考えですか?

丸川議員:子育ては産まれる前からサポートが必要で、外の地域から東京都に入ってこられる方が、孤立せず子育てが出来る環境をつくることが、第一だと思うのです。国でも、妊娠が分かった時に、一時金を出せるよう調整をしました。加えて出産育児一時金の増額をして、出産・育児での資金面で不安のために子どもが産めないということがないように、国でも一生懸命やっています。また現在、0~2歳児の6割は育児サポートを受けていないということなので、もっと厚いサポート体制を地域で作っていただきたいなと。

えびさわ:そうですね。

丸川議員:お母さんが安心して活躍できる支えになるのではと思ってます。

えびさわ:頑張ります。ここからは保育園の質も上げていきたいと思っているところです。

丸川議員:国も、一定の数の子どもに対して保育士の数を増やす必要がある、と認識しています。特に3~5歳は小学校への接続を考えると、教育の面でももっとサポートした方がいい世代だと思います。

えびさわ:文京区は0~2歳の保育にあたる先生は足りないけれど、3~5歳となると逆に空きが出てしまって、今度は保育園が経営危機に陥っているのです。それで空いたスペースの有効活用がひとつの課題になっているのですが。

丸川議員:実は国の方でも、似たような危機が訪れつつあるので、空きスペースを活かしていくモデル事業を令和5年度から始める予定です。

えびさわ:どんな事業なのですか?

丸川議員:これは、0~2歳やその他の年齢でも子育てサービスを受けられていない子どもたちが、空きスペースで支援を受けられるようにするためのモデル事業です。

えびさわ:それは画期的ですね。

丸川議員:せっかく体制を整えてきたので、妊娠時から出産時、そして就学前までずっとトータルで手厚くサポートできるようにしたいと思います。

えびさわ:楽しみにしています。

丸川議員:あとは、各省庁をまたぐ子どもについての問題を、一括で「こども家庭庁」が対応できるようにしていきます。

えびさわ:期待をしております。

 

(人工知能)の仕組みから学ぶ

えびさわ子どもの教育のICT化についてどうお考えでしょうか。

丸川議員:コロナ禍で、自治体のご尽力をいただき、1人1台の端末を備えました。おかげさまで、必履修で小学校から高校までの子どもたちがプログラミング的思考をはじめ、実際にプログラムを触る授業が実現しました。高校では、プログラミングと、情報倫理が学べるようになりました。

えびさわ:情報倫理とは、いわゆる情報リテラシーですね。

丸川議員:はい。自分が情報を発信する時に、人権や著作物に対する権利に対して配慮が必要かなどを学ぶというコースがあったのですが、加えてプログラムも学びます。あわせて小学5・6年生の授業でも、プログラミングを教えます。

えびさわ:これからの子どもたちは、私たちとは違う人種になりそですね。

丸川議員(人工知能)は知らない間に私たちの社会に組み込まれています。スマートフォンで見るニュースもAIがその人が欲しがっている情報をピックアップしてくるんですね。例えば私もオリパラ大臣の時は、毎日オリパラのニュースをチェックしていました。

えびさわ:そうなりますよね。

丸川議員:すると、スマホにオリパラのニュースしか出てこなくなるのです(笑)。

えびさわだんだん囲い込まれていってしまうという……。

丸川議員:そうなんです、その世界しか見えなくなってしまう。それ以外のニュースを見ようと思うと、1回この習慣をやめないといけないんです。

えびさわ:どんどん情報が送り込まれてきますよね。

丸川議員:仮に子どもたちが、自分が悪口を言われているページがないか気にして見たり、あるいは反社会的な言動などの情報が集まるサイトに誘導されてリテラシーを失ってしまったりする危険性があります。そのためまずどういう構造で情報が提供されているのか、AIの仕組みや機能を一緒に学ぶことが、これからの時代を生き抜くのに不可欠だと思います。

―教育の最前線である「先生」をバージョンアップ

えびさわ:重要ですね。

丸川議員:はい。教育の最前線である先生方も学ばなくてはいけないし、専門のスキルを持った方々が学校で教えられるような環境を作っていくことが大事だと思います。

えびさわ:そうですね。あとは今、よく子どもたちが「タブレットと教科書を持っていくのが重い」と言っていますので、早く電子教科書を進めていけるよう、ぜひお願いします。

丸川議員:そうですね。デジタル教科書は、作ることもさることながら、先生が活かしていくことが課題ですので、先生の研修も今後、バージョンアップしていきます。先生があっての地域の教育なので、みんなで力を合わせていけたらいいなと思います。政策通であり、現場の声をよく聞いているえびさわ先生に、本当に期待しております。

丸川議員:いろんな政策通でもあるし、本当に現場の声をよく聞いているえびさわ先生には、本当に期待しております。

えびさわ:ありがとうございます。それにしても女性の議員の先生がいて、こうして相談できることはすごく心強いので、これからもいろいろと教えてください。

丸川議員:もちろんです。

えびさわ:今日は本当にありがとうございました。

ライター 宮永 加奈子

 


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