認知症対策のプロフェッショナル、衆議院議員 鈴木隼人さん


今回の『対談!えびさわけいこが聞きました』
小選挙区の区分けが変わって、文京区の選挙区が東京10区になりました。
10区の自民党議員が、今回対談させていただく衆議院議員の鈴木隼人さんです。


えびさわ:文京区議会議員えびさわけいこ
鈴木議員: 鈴木隼人さん


対談の様子はこちらからご覧いただけます

 

鈴木議員との意外な共通点

えびさわ鈴木先生は筑波大学附属駒場の出身ということで、凄く親近感を感じているのですが、実はわたくしはそこで教育実習をさせていただきました

鈴木議員:びっくりしました、まさかあの男臭いところでやられていたとか。この前、筑駒で各党の政治家を呼んで意見交換をする企画があって、母校に行ったのですよ。そしたら実習中の女性の先生がいらしていて、途中から生徒がパンツ一丁で入ってきて、相変わらずだなと(笑)。

えびさわ:昇降口でみんな着替えますよね。教育実習に行った時、結構びっくりしました。あれは強烈な印象でした。

鈴木議員:あの感じを体験されたのでしょうけども。

えびさわ:本当にみんなすごく素直ないい子たちで。先生をひょっとしたら教えているかもしれないぐらいの年なのですけど、私。超恥ずかしいと思いながら…。

鈴木議員:もしかしたらその時にお世話になっているかもしれません。

えびさわ:今度ひょっとしたら区割りが変わって選挙を一緒にやらせていただくと伺っているので、よろしくお願いいたします。

 

認知症の3本の柱

えびさわ先生は認知症について特に力を入れていることをお伺いしていたので、今日はそのことを中心にお話したいと思っていますので、よろしくお願いします。私も認知症については、ずっと文京区に提案させていただいているので。

鈴木議員:経済産業省にいた頃に、たまたま社会保障関係のセクションに配属されたことがあるのですよ。その時に認知症予防に関わったところから、自分の認知症ライフワークが始まったのですが、そんなわけでよろしくお願いいたします。

えびさわ私が議員になったきっかけも、脳梗塞で父が倒れてその介護をした時に医療と介護の連携がまだされてなく、その点を変えたかったからです。また現在は、母の体調がちょっと悪くなって、介護週に2回に帰っているのですが、母も70年前のことはしっかり覚えているのに、3秒前のことを忘れてしまうのですよね。先生が草案をつくった法案についても、ちょっと教えていただけたらと思います。これからどうしていったらいいのでしょうか。

鈴木議員:認知症基本法を3年前、自民党と公明党が連名で国会に提出をしました。認知症基本法の柱は、大きく3つの柱がありまして。1つ目は認知症バリアフリーですね。認知症の人が社会と繋がりたいと思った時に大きな壁がいろんなところにあって、結局外に出られずに家に籠り切りになってしまう。これをなんとかしましょうっていうことです。

えびさわ:最初の柱は、認知症バリアフリー。

鈴木議員:そうですね。それから2つ目の柱は認知症の方の尊厳の尊重ですね。

えびさわ:これは重要だと思います。

鈴木議員:例えばしばりつけとかですね。基本的には過度な身体拘束って、法律で禁止されています。しかし、身体拘束も場合によっては行われているのが実態ですし、それから薬漬けもありますね。診断をされたその日から、お家や施設から外に出してもらえなくなるなど、自分の人生が自分のものではなくなってしまいますよね。

えびさわ:残念ながら、本当にそうですよね。

鈴木議員:想像力を働かせてください。もしもあなたが自分の人生を生きられなくなったら、その時どう感じますか?そんな思いをこの人たちは抱えていますよ。そのことを多くの人に知ってもらう必要がありますよね。そして、3つ目の柱は予防ですね。

えびさわ:認知症の予防も重要ですね。

鈴木議員:認知症にできればならない、願わくはなるのを遅くする。そしてなったとしても、進行を少しでも穏やかなものにする。こういうことができれば、少しでも自分らしく生きられる時間が長くなりますからね。そういった3本柱で認知症基本法を作りました。実はですね、この法案は3年前に国会に提出したのですが、まだ成立はしてないのですよ。自民党と公明党の連名で提出をしたのですが、逆に他の政党の皆さんとの調整がうまく進められなかったので、一旦その法律は取り下げて、仕切り直しで新たに検討を行っているところです。

えびさわ:良かったです。少しでも早く進めてもらいたいと、強く思います。先ほどの尊厳の話がありましたが、母も毎日ずっと散歩していたのですね。もしも母が自分の家を見つけられなくなったらどうしようって、不安のあまり止めようとしたことがすごく申し訳なくて。

鈴木議員:家族としても、やっぱり不安になりますからね。どうしてもそういう風に言わざるを得ない部分もありますよね。

 

これからは地域力 町田市のデイサービスの実例

えびさわ:今、地域の方にちゃんと母の現状をお話しして、シールやGPSなどを付けて見守りをしているところです。支え合いとでも申しましょうか……先生が以前、「これからは地域力」と仰っていましたが、本当にそう思っております。

鈴木議員:面白い実例があります。町田市にデイサービス「DAYS BLG(以下BLG)」があるのですよ。このデイサービスはすごく珍しくて、社会参加型です。で、ここに通っていらっしゃるのは認知症の方なのですけど、朝集まってきたら話し合いをして、「じゃあ今日は車の洗車をしに行くよ」とか、そんな感じでそこから働きに出るのですね。

えびさわ:ぜひ行ってみたいです。ちょっと視察をさせていただければ……。

鈴木議員:その BLGで駄菓子屋さんを開いているのですよ。

えびさわ:その施設の中で駄菓子屋さん?

鈴木議員:で、駄菓子屋さんをやると当然、近所のお子さんたちがそこに来るじゃないですか。そうすると、自然と利用者さんとお子さんたちが顔見知りになって、交流が始まるのですね。そうすると利用者さんたちは、近所に知り合いのお子さんがいっぱい居るから、なんとなく外に出るのが怖くなくなるのですよ。外に出て迷って帰れなくなったとしても、お子さんたちが見つけて声をかけてくれる。「ちょっと戻れなくなっちゃって」なんて会話をしながら、ちゃんと施設に連れてきてくれるのです。

えびさわ:すごくいい話ですね。

鈴木議員:それはBLGという器があって、そこで交流があったからこそ出来たことです。社会の方で何かしらの受け皿ができたら、きっと認知症の人たちもすごく外に出やすくなるし、何かあっても大丈夫な地域社会を作っていけると思うのですよね。

えびさわ:そしたら認知症の人を抱えている家族の不安も、ものすごく減ると思います

鈴木議員:そうなのですよ。例えば家にいてもらわなければいけないなどの心配事は、色んな時に出てくるじゃないですか。そういうことの積み重ねで、家族も本人も辛くなってしまい、そうすると周辺症状みたいなものが起きてきちゃうし……っていうね。これから作っていく法律を通して、その負のスパイラルに入らなくていい社会を作っていきたいです。

えびさわ:ぜひお願いしたいですし、何か出来ることがあればご一緒させていただきたいと思います。

 

エネルギー調達の多角化

えびさわ先生は経済産業省のご出身ですよね。特にエネルギー問題に詳しいと伺いましたが。日本はエネルギーを自分で持っている訳ではないですし、なかなか資源もないので、今後どのようにしていくのか、ご意見をお願いします。

鈴木議員:いろんな手を打つべきだと思いますが、まず考えておきたいのが、エネルギーの調達先の多角化ですね。十数年前ですが、中東の方で戦争が起きて、その頃に経産省でFTA(自由貿易協定)の交渉担当する部署にいたのですよ。日本の石油エネルギーは、中東地域に調達をかなり依存していましたので、「この状態を何とかしなければいけない」そんな問題意識を持ちました。当時のエネルギー安全保障といえば、備蓄と新エネ・省エネで、調達先の多角化は、かなり端っこの方に置かれていたのですよ。この現状を見てどう考えたって、危ないと思いませんか?

えびさわ特定の地域に依存するのは、有事の際に大きなリスクがありますよね

鈴木議員:そう思って資源エネルギー庁と交渉していたのですが、なかなか首を縦に振ってくれなかったのですね。ちょうど自分が担当していたのが、インドネシアとFTAを交渉するかどうかの前交渉をしていた頃でした。そこで、相手国側から問題提起をしてもらって、国内に逆に火をつけてしまおうかと思い、裏で手を回しました。そして、「エネルギー安全保障に関する協力」の項目を彼らから提案をしてもらったのですよ。

えびさわ:インドネシアから日本に、ですか?

鈴木議員:向こうの政府から正式に提案されたので、日本政府としても正式に検討を始めました。その間、私もマスコミなどいろんな業界にその必要性を訴え、そしてインドネシアから逆提案があったことが報じられるようになって。政府内外を問わず「ああ、それは大事だな」って空気になり、そこから色々拡がっていったのですよ。結果的にその翌年あたりに政府のエネルギー戦略大綱に「エネルギー供給源の多角化」を重要な柱として位置づけることができました。自分としても想いをもってやっていたこともあり、調達先の多角化は、すごく大事です。

えびさわ世界中でいつなんどき、何が起こるか分からないですからね日本のエネルギー政策を考えたうえでは、まずは平和が大切なのでしょうね。

鈴木議員:そうですね。を中心に置いて考えていかなければいけないですね

えびさわ:本当にいろんなエネルギーを上手に使っていきたいですね。これからさらに電気を使うわけじゃないですか。パソコン1台とってもみんなが使って電気の消費量が増えるので、ぜひエネルギー政策を先生のテーマとしていただければ。それから認知症については、これからも引き続きよろしくお願いいたします。

鈴木議員:本当にえびさわさんのように想いを持っておられて、実際に行政に対して働きかけていただいている同士がいてくださるのが、すごく我々としてもありがたいです。ぜひ区政と国政とが手を取り合いながら、一緒に良い社会をつくっていくために頑張っていけたらいいですね。

えびさわ本当にぜひ、そうしていきたいです。私の講演会も毎年認知症サポーターの講座を毎年開催しており、1回につき100人ぐらいずつサポーターになっていただいているのですよ。少しでも若い子にも、それから高齢者にも理解を深めてもらえれば、の気持ちで頑張っています。本日はお忙しい中、ありがとうございました。

 

 

ライター 乙部 雅子


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