子どもが自分で考え、自分の言葉で意見が言える人になるように(アルバ・エデュ代表 竹内明日香さん)

えびさわ:文京区議会議員えびさわけいこ
竹内さん:アルバ・エデュ代表 竹内 明日香さん


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えびさわけいこ(以下 えびさわ):こんにちは。
本日は、一般社団法人アルバ・エデュ代表の竹内明日香さんのお話を伺います。
竹内明日香さんは、『すべての子供に話す力を』の著者でもあります。よろしくお願いします。

アルバ・エデュ代表 竹内 明日香さん(以下 竹内さん):よろしくお願いします。

えびさわ:まずは竹内さんの自己紹介と簡単にアルバ・エデュについて伺えますか。

竹内さん:竹内明日香と申します。文京区には五代前から住んでいます。

えびさわ:五代前ですか、初めて知りました。五代前っていつからですか。

竹内さん:江戸時代です。

えびさわ:すごい!じゃあ根っからの文京区民ですね。

竹内さん:はい、文京区に住んで、子供たちも公立小学校に行って、PTAをしたり、オーケストラを作ったり、このアルバ・エデュという活動で幼稚園から大学まで28校で授業をさせていただいたり。
ルバ・エデュはですね、「子供たちが堂々ハキハキと自分の意見を言えるように」ということを目指して、先生方に検証したり、モデルになるような授業を出前したり、あるいは教材を提供したりしています。子供たちが自己肯定感を育みながら、話す事が苦ではなくなるように、という活動です。

-子ども達と「話す力」

えびさわ:竹内さんは、文京区だけでなく色々な自治体に行ってこの話し方の講座をやっていらっしゃいますが、自治体によって違いはありますか。

竹内さん:今年度は全部で11の自治体に行っていますが、その中でも文京区の子たちは学力も自己肯定感も高い子が多いです。
その反面、この本に書いたのはまさに文京区の子供達についてなんですけれど、何を言ってもいいんだよ、自分の好きなことを語ろうと言っても、「なんて言ったらいいですか」「正解は何ですか」と正解を探ってしまう、それがもったいないなあと思っています。

子ども達はすごい力を持ってるので、話す力さえあれば、もっとパワフルになると思います。そしてそういう子どもたちの周りの大人、保護者のみならず地域の大人も、どうやってその子どもたちをほぐしてもっと戦力にできるか、そういうことを考えて活動しています。

えびさわ:竹内さんの授業を受けた前と後で子どもたちはどんな風に変わっているんですか。

竹内さん:話すことが苦手ではなくなったという子どもたちが増えました。
それだけではなく、例えば(6:54)文京区立文林中学校は7回の授業の結果、一般の教科の学力も上がりましたね。

えびさわ:すごい!

竹内さん:あとは今まさに効果測定を大学の先生方と進めているんですけれども、そこで出てきた結果としては、「何か自分ができるかも」あるいは「自分が世の中のために役に立ちたい」とかそういった感情が芽生えていきます。
これを私たちは〈自己肯力〉と呼んでいるのですが…

えびさわ:〈自己肯力〉ですか?

竹内さん:授業の中で、「世の中は変えられる、そのためにプレゼンがある」と、その言葉を繰り返し繰り返し伝えていくんですね。

えびさわ:世の中は変えられる、そのためにプレゼンはあるんですね。

竹内さん:世の中には言い出しっぺがいて、その人が自分の熱い気持ちを語っているうちに周りの人が巻き込まれて、そうやって少しずつ世の中が良くなっているんだよって。だからね、恥ずかしがらずに言い出しっぺになってね、ということを伝えてきました。

えびさわ:なかなか言い出しっぺになれないですよね。これを言ったら周りになんて思われるかなって気になってしまって…
竹内さんは幼少期を海外でお過ごしになって、そこでは全然平気だったのに日本に戻ってきたらなかなか自分の意見が言えなくなってしまった、というお話がありましたね。

竹内さん:そうなんですよね、自己主張するとやっぱ出る杭が打たれるとうか、周りに合わせてやめたほうがいいんじゃないかいう空気感がありました。
でもそれってとっても危険で、自分の意見をきちんと持たないと流されちゃう可能性もあるわけで。

えびさわ:そうですね。

竹内さん:ですからやっぱりそれは最後の一人になっても反対できる、あるいはもっとこっちのほうがいいかも、というその最初の言い出しっぺになれる、そのことはとっても大事なんだよ、ということを言っていきたい。

えびさわ:すごい、なかなかなれないですよ。

-考える・伝える・見せる

えびさわ:竹内さんの授業を1時間受けただけで子どもたちが変わるそのちょっとしたポイントを教えていただけますか。

竹内さん:最初に世の中がどうやって変わってきたのかというお話をしながら、次にプレゼンのコツを伝えるんです。「考える・伝える・見せる」このスリーステップで積み上げていくと。

えびさわ:「考える・伝える・見せる」ですね。

竹内さん:はい、で例えばパワポの作り方、そのデザインとか絵が苦手でも良いし、大きな声が出ないのだったら発声練習をすればいいし、これらももちろん大事なんだけれども最も大事なのは一番この土台になる“考える力”なんだよ。
それは別に誰かがそれが正しいと言っているとか、こう言っとくとなんかうけるかな、ではなくて自分がこれが好きなんだという強い思いを伝えればいいんだよ、っていうお話をするんですよね。

そうすると子供たちって妙に力が湧いてくるというか、じゃあなんでもいいんだったらこんなこと言っていいですか、素敵だから言っちゃおう言っちゃおう!みたいなことで、だんだんみんなこう、メラメラと楽しそうになっていって、で授業の最後にはなんかみんなキラキラと。

えびさわ:キラキラと、いいですね
みんなこう何かしたいとかそういう心の中の思いっていうのはいっぱいあると思うんですけどそれをこう表現して、表現するんだってことをきちんと考えることを教えるってことですね。

竹内さん:そうですね、せっかく良い物を持っていてもその本当最後の伝える力がないがためにそれがまったく活かされずに、存在してないのと同じになってしまうという状況を私はビジネスの現場でたくさん見てきたんですね。
次世代を担う子供たち若者たちにはそこをなんとかこう克服してぐっと上がっていってもらいたいなって思います。

えびさわ:そうですね、自分たちが夢を掴むためにも自分で自分の心で自分の声で言葉で自分のことを表現していく力をぜひ付けてもらいたいと思います。

-文京区のデジタル教育

えびさわ:竹内さんには文京区がすべての小中学校にタブレットを導入した際、先生方へデジタル教育の指導をしていただきましたが、いかがでしたか?

竹内さん:最初はもうzoomひとつやるのも結構大変だったんですが、あっという間に先生方は使いこなしておられて、そして何よりやっぱり子どもたちは使いこなすのが早いですね。

えびさわ:文京区のタブレット学校教育で課題に感じてることはありますか。

竹内さん:そうですね、電源を入れてからのレスポンスがちょっと遅い機種が入ってしまっていることと、あとは教材やノートを置いてくるっていうことがまだ徹底されていないのでランドセルがものすごく重いんですね。

えびさわ:すっごい重いっていうのは今子供たちに会うたび言われます。

竹内さん:なのであれをなんとか…

えびさわ:そうですね。

竹内さん:デジタル教材の導入もそうですしね、あとはそのメリハリをつけてアナログで対応できるものはしていくとか、そこがうまく調整できるともう少し子供たちの背骨も曲がらなくて済むかなという感じですね。

えびさわ:そうですね、ピンっと。これからやっぱりせっかくタブレット導入されたので、タブレットのリニューアルもそうですけど、やっぱり電子教科書をもっと取り入れて、子どもたちが教科書重いのを持って歩かなくていいような形に私も推進していければいいなと思うので是非またその時もいろいろアドバイスよろしくお願いいたします。

竹内さん:こちらこそよろしくお願いいたします。

えびさわ:今日は本当に色々ありがとうございました。

ライター 乙部 雅子


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