文京区で“教育プラットフォーム”を目指す(株式会社エデュスタイル代表 槙田 美規さん)

「対談!えびさわけいこが聞きました」
文京区で“教育プラットフォーム”を目指す、
株式会社エデュスタイル代表の槙田さんにお話を伺いました。


えびさわ:文京区議会議員えびさわけいこ
槙田さん:エデュスタイル代表 槙田 美規さん


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―教育総合プラットフォームを目指す

えびさわ:こんにちは。本日はエデュスタイル代表の槙田さんにお話を伺います。まずは自己紹介をお願いできますか。

槙田さん:槙田と申します。私は小学館で、週刊誌、女性誌、子育ての雑誌、最後の方はデジタルでネットマガジンとかデジタル絵本とかいろいろなことをやってきました。そこを卒業しまして、出版社時代に色々とやり残してきたことを考えて、文京区で起業いたしました。それがエデュスタイルという〈ランドセルナビ〉で、ランドセルを売ったり、入学準備に関するコンテンツを扱うサイトを運営しております。

えびさわ:これがエデュスタイルさんのランドセルですね。これのポイントを教えていただけますか?

槙田このランドセルは、完全に手作りランドセルで、今の子供たちに合わせて、名古屋のランドセル作り五十数年の職人さんと友人のスタイリストにデザインしてもらいました。

えびさわ:すごくオシャレですよね

槙田さん:牛革で、うちのイメージとしてランドセルを作りました。パッと大人の人が革の鞄をイメージするのと違ってずいぶん軽いです

えびさわ:このランドセルは槙田さんにとってあくまでスタートというか、本来は教育のプラットホームを作りたいと願っているということなんですけど、そこにたどり着いたきっかけのお話をしていただけますか?

槙田:出版社でいろいろな取材をしてきたわけですけど、子育ての記事を相当長い間担当するうちに、この30年間で子供の生まれる環境は非常に厳しくなっていると、愕然としました。自分の子供時代と全く違う今の子供たちに対して何か少しでもできないかなと

私の子供時代は暗くなるまで外で遊んで、疲れ切ってウチへ帰って、バタっと寝るような生活をしていたわけですね。ところが今は全然違う。まず暗くなるまで外で遊ぶという子はいませんよね。社会の環境が変わってきて、子供たちが「ドラえもんのような空き地」で遊ぶことが出来なくなり、結局いつも親の管理の中でやらなければいけなくなっている子供たちに対して、少しでも何かしたい。そう思ったときに、何が一番大事なのかなって思いますと、一番は「親」だと思うんですよ。大人の世界でのいろいろな判断基準が、子供に当てはめられているという、すごく辛い状況に気づきました。

―「世の中基準からその子基準へ」

槙田:一つはなんでも「平均はどんなだ、世の中の真ん中はどのへんなんだ、みんなはどうしてるんだ」それに自分の子供を当てはめて、他の子はどうしているのとか、そういうことを気にしながら、それに当てはまらないと「うちの子は大丈夫なのかしら」と思ってしまう。それからもう一つ昔と違うところとしては子育ての情報も、お金をかければありとあらゆる教育を受けさせることができる。にもかかわらず、「これをやれば安心」というアベレージが子育てとか教育に関してはなくなってしまっている

子育ての情報も非常にバラつきがあるので、ベーシックなものとして押さえておきたいところを提供しながら、ネット上でのプラットフォームとして、親たちがみる場所をつくっていきたいなと思ったのが最初のきっかけです。

えびさわ:「世の中基準からその子基準へ」っていう会社の理念が。ものすごく分かりやすいと思います。保護者の方も「周りがどういうふうになっているのかな、うちの子は周りの子と比べて遅れてないかな」ということばかりが気になって、「その子の基準」をなかなか作ってあげられない、その子にとって何がいいのかをなかなか考えてあげられない。どんなふうに子育てをした方がいいかっていう情報を槙田さんが発信してあげられたらいいですよね。

「世の中基準からその子基準へ」っていう会社の理念が、ものすごく分かりやすいと思います。

槙田さん:あと、もう一つ、今のお子さんが昔の子供と違うのは、たくさん大人に出会えていないということですね。小さいうちに。昔は近所のおばさん・おじさん、いろいろな人に関わっていたんですよね。地域で。でも、今残念ながら男の人だと声をかけることさえ出来ない状態です。そういう社会の変化の中で、関われる大人が少なくなってきましたよね。だから、海老澤さんがやっていらしたのも良いなと思ったんですけど、小さいうちからできるだけ多くの大人に出会ってほしいなというのも一つの思いです。

えびさわ文武両道な子供を育てたいというのが私の理想なので、「かけっこ倶楽部」と「体育塾」というのをやっているんですけど、本当に子供たちが忙しそうで…。体育塾にきても「この次〇〇にいこう、さっきは〇〇に行ってきたの」という感じで、子供の時間というよりも、大人によってスケジュールを組まれているので、いつ遊んでいるのかなというのがちょっと心配になっています。

槙田さん:色々調べてみると、運動をしている子の方が成績上がるんですよね。これアメリカではっきりデータが出ていますけども、能力を上げるためにはある程度の遊びは絶対必要で、そういうこともお母さん方にはお伝えしたいなと思っています。

えびさわ:ぜひ、槙田さんが作るプラットホームで発信していただけたらと思います。

槙田さん:とにかく、今のどもたちが置かれている状況が私には厳しく見えるので、少しでも味方になりたいなという思いが一番強いです。

―ランドセル選びのアドバイス

えびさわ:その思いを込めて、まずこのランドセルですけど、ランドセルを来年買うお母さんにポイントを教えていただけますか。

槙田さん:まず「6年間修理対応」がついているランドセルを買ってほしいということですね。細かい機能がどうのっていうのではなくて、6年間修理対応するということは、ある意味「6年間壊れることがないですよ」ということなんですよ。だから、そういうものを選んで頂いて。あともう一つ大事なのは「お母さん、お父さんの考え」ではなくて「お子さんが欲しいというもの」を買っていただきたい

えびさわ自分で選ぶというのも大事なポイントですよね

槙田さん:親御さんからみると「6年生になった時、これじゃ恥ずかしい」と思うこともあると思うんですけど、そう思うことも一つの学び。

えびさわ:なるほど。そういう積み重ねも一つの学習ですよね。あとこれ、お手入れのポイントを…

槙田さん:注意していただきたいことは、ベルトの調節をするということです。

えびさわ:成長しますもんね。

槙田さん:今中に入れるものがとても重たいので、すごく軽く作られているんですけど、それ以上に、背負う時の重心の方が体感重量に影響を与えるんですね。今流行りのダラーんとしたリュックの持ち方、ベルトが長すぎると、重たく感じる。背中がぴったりついて重心が上にくるように背負わせてあげるために、ベルトの調節は常に親御さんの務めとしていただきたい。

それともう一つ大事なのはランドセルカバーなんですね。

えびさわ:ランドセルカバー!? 文京区では新一年生は必ずつけています

槙田さん:良いんですよ。良いんですけど、雨が降って濡れた時に、ランドセルカバーとランドセルの間に水が溜まってしまうことがあります。そういう時に何も考えず放置してしまうと、かびたりしてしまいます。だから、濡れた時は一旦ランドセルカバーを外して拭いてあげるくらいのことはしてあげる、と。大人の鞄と違って汚れ防止の樹脂加工されているからほとんど手入れする必要ないんですよ、だけどランドセルカバーだけは手入れしてほしい。

えびさわ:ランドセルカバー渡すときに、それを言わなければダメかもしれないですね。必ず一年生には送っているので、思わぬところではありました。

―子ども達に平等な支援を

えびさわ:槙田さんは文京区に住んでいらっしゃるので、お互いにこれから情報交換しながら、いろいろなことができたらなと思っています。最後に、槙田さんが目指す教育プラットフォームについて改めて教えていただけますか。

槙田さん:教育のプラットホームというのは先ほど申し上げたように、最低限の親御さんたちがやったこと方がいいことを語る場で、できれば最終的には親御さんたち同士が語り合える場

SNSなども色々ありますけれど、子ども達のために何らかの形で協力体制を作るというのはものすごく大切なことだし、そのために互いの立場を理解し合うというのも大事。

あとは、行政の方にお願いしたいことがひとつありまして…。行政の方はさまざまなクレームに対応せざるを得ないから、どうしても声の大きい人たちの意見ばかりを反映しがちになる。びっくりするようなことを仰る親御さん一人のために物事が変わったりする。よく聞くんですよ「幼稚園で『こういう親』がいるせいで、全部この遊びが禁止になった」というのを。そういうことがないように、うまい手を考えてもらえないかなって、すごく思いますね

えびさわ:本当に、子供のためを思って子供のための政策を考えていけたらなって思いますね。
文京区の中にもいろいろなお子さんがいらっしゃいますが、子供はできるだけ平等にしていきたいなと思いますので、ランドセルを買えるように入学支援や塾の支援などもしており、スポーツの支援もしてあげたいなというのが私の願いです。そのほかにも、今回、全ての子供たちに所得制限なしで3万円を給付します。子供が差別なく成長できるようにしていきたいなと思います。これからも力を貸していただきたいなと思います。

槙田さん:こちらこそよろしくお願いします

えびさわ:本当に今日はありがとうございました。

ライター 木下絢美


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「すし作家」岡田大介さんに、食や命に対する思いを聞きました。

岡田さんとえびさわ

「対談!えびさわけいこが聞きました」
今回は、「すし作家」という一風変わった肩書をお持ちの岡田大介さんに、
食や命に対する思いや、子どもたちへの食育について聞きました。


えびさわ:文京区議会議員えびさわけいこ
岡田さん:岡田大介さん


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―「すし作家」ってどんな職業?

えびさわ:岡田さんは寿司店「酢飯屋」のオーナーであり、「すし作家」という肩書もお持ちです。どんな職業ですか?

岡田さん:僕は寿司職人として、20年弱くらいお店をやってきたんですけど、2~30年後を考えてみた時に、なんとなく先が見えるというか、想像がついてしまったんですね。

えびさわ:自分の未来が?

岡田さん:はい。

えびさわ:「もっと広げてみたいなあ」と思ったんですか?

岡田さん:お店を広げたいというよりは、20年の経験を活かして寿司職人だからこそできる、寿司や海、魚にまつわる色々な仕事をしていこうと思うようになりました。

 

―写真絵本『おすしやさんにいらっしゃい!』に込めた思い

えびさわ:その一つが、2022年に「第27回日本絵本賞」を受賞した『おすしやさんにいらっしゃい!生きものが食べものになるまで』ですね。

岡田さん:そうですね。これを作った時は「すし作家」とは名乗っていませんでしたが。

でもこの本が人気評価を頂いて。僕は作家さんに対して「何をしてもいい」「やりたいことをやっていく」というイメージを持っていました。逆に言うと、寿司職人には「毎日この店でお店を守ってなきゃいけない」という硬いイメージがあったので、もっと自分のやりたいことを広げていきたいと考えたわけです。

えびさわ:お店から外に出て、海やお客様など出会う人のそばに寄り添うという感じですか?

岡田さん:そうです。

 

―僕たちは「命」を食べて生きている

えびさわ:この本を読ませていただくと、お魚を釣ってさばいて、口に入るまでの過程を説明していらっしゃるんですけど、岡田さんが考える食育が描かれているのでしょうか。

岡田さん:この本のサブタイトルは「生きものが食べものになるまで」です。自分たちが食べているもので、生きていないものは2つしかないんですよ。

えびさわ:何ですか?

岡田さん:塩と水だけ生きていない。

えびさわ:息をしていないということですか?

岡田さん:生命体じゃないということですね。ということは、塩と水以外は全部もともと生きものだったということですね。

えびさわ:命がある。

岡田さん:そうですね。お米の一粒一粒、調味料もね。それでお寿司を握ったときに、お寿司が命の塊に見えたんですよ。「どれだけの命を一回で食べているんだろう」と。そんな風に「寿司っていう食べ物じゃなくて命の塊なんだ」という見方をし始めた時に、「いただきます」「ごちそうさま」を言うことで、本当に命をたくさん食べて毎日生きているんだなっていうのを改めて伝えなきゃいけないと思いました。

えびさわ:確かにそう思います。

岡田さん:でも、お店で命の話とかをしても、お客様はおいしいお寿司を食べに来ているわけだし、あんまりそんな話を聞きたくないじゃないですか。子どもたちにも命の話をしても「ふーん」みたいな反応で、「魚は生きてたんでしょ、知ってるよ」で終わっちゃうんですけど。

えびさわ:知識としては知っていても、実感を抱く機会はないかも。

岡田さん:だから写真絵本という形にして、魚を釣るところからお寿司になるまでのストーリーを描いたんです。まずは魚に対して美味しそう、かわいい、気持ち悪いとか色々な感情があって、一番最後に命のメッセージが出てくるんですけど、いきなり命のことについて触れず、お寿司を入り口にしているところがポイントです。「ごちそうさま」になる前のページに、「生き物は食べ物になって君たちの体の一部になる。私たちはたくさんの命でできているんだ」という言葉が出てきます。

えびさわ:いいセリフですね。本当にその通りだと思います。私たちはたくさんの命でできているんだっていうのを子どもたちに伝えたいということですね。

岡田さん:話しても全然聞いてくれないんですけど、絵本だったら読んでくれるし、ちゃんと子どもなりに解釈して理解してくれるんです。この絵本を読んだことをきっかけに、子どもたちになんかしら引っかかって動いてくれるというかね。

えびさわ:いいですね。私も「フーディングジャパン」というNPOを立ち上げていて、料理教室とかしているんですけど、その時も必ず「いただきます」「ごちそうさま」の話をして、「命をいただいたんだよ」という説明を必ずしているんですけど、やっぱりこの言葉を大事にしていきたいなって思っているので、この本に共感いたしました。

―食べものに触る、岡田流食育

えびさわ:岡田さんは食育の一環として「食べ物を触ってもらう」という話を伺ったのですが?

岡田さん:昔はよく「食べ物で遊ぶな」と言われていて、僕もそう言われて育ちましたけど、食べ物で遊んだ方がいいかと思っていたんですね。遊ぶっていっても、ぐちゃぐちゃ触ってぽいって捨てるんじゃなくて、食べる前の素材の状態を観察して、じっくりと触る。「こういう硬さなんだ」「こんなべちゃべちゃしてるんだな」と色んなことを感じて、その後に調理をして食べることに意味があるのだと思います。食べる側だけに立っていると、例えば「回鍋肉食べよう」という時に時にキャベツや豚肉、調味料などの原型まで遡ってたどるのにすごく時間がかかるんですね。

えびさわ:そこまでの過程にいろんな人が携わっている

岡田さん:そうです。なので調理の過程で食材に触って観察して、というのをやってもらうと、子どもたちはずっと興味を持って食材に触れているんですよ。魚離れとか言われていますが、実際は全然そんな風に感じないんですよね。みんなお寿司がすごく好きですし。

えびさわ:お寿司大好きですよ。

岡田さん:でも、子どもたちに魚を触ったことあるか聞くと、想像以上に少ないんです。なぜかというと、例えば魚屋さんで魚に触るとお父さんお母さんに怒られるじゃないですか。「商品なんだからダメだよ」って。水族館だとお魚を触ってもOKなコーナーはありますけど。

えびさわ:でもちょっとだけですよね。あとまあ窓越しというか。

岡田さん:食べるような魚はまず触れない。

えびさわ:そうですね。

岡田さん:魚を触る機会がないので、僕が釣った魚を小学校や教育機関に送って、それをまずみんなで観察したり触りまくる。そしてさばいて食べる。コロナ情勢によってはさばくところでまででしたけど、昨日の荻窪でのイベントではみんなで食べられました。

えびさわ:今度、私のNPOとか文京区の子どもたちにも開催してもらいたいです

岡田さん:もちろん。

えびさわ:ぜひ、それは楽しみ!話は変わりますが、岡田さんのお店では、自分で釣った魚しか出さないという噂を聞いています。

岡田さん:そうです。ここ2,3年ずっと、自分が釣った魚だけでお寿司を握るって決めています。なのでお店に来ても3種類しかないとかね。

えびさわ:その魚たちがどこでどうやって獲られて、お客さんの前に辿り着いたということが全部教えてもらえるっていうのは、すごく幸せなことですよね。

岡田さん:好きな方にとっては面白いし、そういう寿司屋さんが好きじゃないっていう方もいますよ。釣ってきた魚については、話せないことはほとんど無いですね。何でも聞いてほしいし、伝えたいです。

えびさわ:ぜひ文京区の子どもたちにもしていただきたいなと思います。楽しみにしてます。

―魚が苦手な子どもはどうする?

えびさわ:文京区では、「和食の日」を設けて、子どもたちに給食で和食を体験してもらえるように取り組んでいます。何かいいアドバイスがあれば。

岡田さん:和食、和食って定義とか決めていましたっけ

えびさわ:決めていないです。

岡田さん:和食には寿司以外の魚料理がたくさんありますけど、魚嫌いとか食べたがらない理由のほとんどは、骨と鱗があるからなんですよ。逆にいうと、下処理やチョイスする魚の種類で解決します。まずは骨がない魚を食べればいいんですよ。

えびさわ:骨がない魚ってあるんですか?

岡田さん:切り身になっている大きな魚とか。例えばカジキとかってもう骨ないじゃないですか。そういう魚を使った美味しい料理を食べていくというところからスタートしないと、1本でも骨があると「もう二度と食べない」というモードになりがちです。「そんなことをしていたら、骨が取れない大人になっちゃうじゃないですか」ってたまに言われるんですが、大人になったら取れるようになりますから、大丈夫です。

えびさわ:そうですね。嫌いじゃなくて興味を持って好きになって食べてみるって感じですね。

 

岡田さん:魚を好きになるところが大事なので、いきなりサンマとか出されても、それは大人でも大変なわけですから。最初は骨なしのカジキのようなもの、次は金目鯛の煮付けのような、骨を数本抜けば食べられるものがおすすめです。自分で抜く体験も必要ですし、だんだん慣れながら小骨の多い魚に挑戦していけばいいと思います。大事なのは魚を好きになることなので。

えびさわ:それは目からウロコです。魚イコール骨があるものだと思っていたので、ひと工夫するだけで魚が苦手な友達に良い体験をさせてあげられるなと。私もほかの人に伝えていきたいと思います。また今後もアドバイスいただけますか?

岡田さん:もちろんです。お魚とか海とかそういうことならば僕の知識が足りるものがあれば。

―食育の実践 子どもたちと魚で遊ぼう

えびさわ:子どもたちと一緒に釣り体験とかもできちゃったりします?

岡田さん:それはやりたいですね

えびさわ:本当ですか?

岡田さん:今週末も佐渡島で、みんなで釣りをしてでさばいて寿司にするまでを体験するイベントを予定しています。なかなか釣りからだとハードルも高いですが、やりたい。

えびさわ:まずは、お魚に触る、魚で遊ぶ体験から一緒にやらせていただいていいですか?

岡田さん:そうですね。そこからですね。

えびさわ:本当にありがとうございます。ぜひお店に行きたいと思うので、皆さんもぜひ『おすしやさんにいらっしゃい!生きものが食べものになるまで』を読んでみてください。今日はどうもありがとうございました。

ライター 宮永加奈子


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子ども達の体力アップやこれからの体育の授業(スポーツひろば代表 西薗 一也 先生)

今回の『対談!えびさわけいこが聞きました』は、体育塾でお世話になっている「スポーツひろば」代表の西薗一也先生です


えびさわ:文京区議会議員えびさわけいこ
西薗先生:「スポーツひろば」代表 西薗一也先生


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-「スポーツひろば」を立ち上げた理由

えびさわけいこ(以下 えびさわ):西薗先生は文京区で10年以上、私たちがやっている体育塾の先生をしていただいております。まずは西薗先生が「スポーツひろば」を始めた理由を教えてください。

西薗一也先生(以下西薗先生):第一の理由は、体育が苦手な子を救ってあげたい気持ちがあったからです。そもそも僕自身も体育を仕事としていますが、運動を好きになった理由を振り返ってみると、良い先生との出会いがそこにはありました。で、国語とか算数とか他の科目でも、好きになる理由の中で同じことが言えるんじゃないかな。

えびさわ:先生の存在って、子ども達にとって影響がありますよね。

西薗先生:ところが、体育が嫌いな子たちが想像した以上に多かったことを知り、苦手意識をなくしたいと思いました。その子にとって体育の1番いい先生になりたいとの想いをもって、始めたのがきっかけです。

えびさわ:私もバリバリな体育会系で、とっても大好き。うち父が体育の教員なのですよ。なので、良い先生に会えたおかげかなっていうのは心のどこかにあります。私も文京区議会議員になってから、子どもの中には体育が好きじゃない子が意外といる事を知り、体育塾を始めました。

-子ども達の体力の変化の原因は「3ない」

えびさわ:文京区で長年体育塾の先生をされていて、なにか感じたことはありますか?

西薗先生:体育塾に限らずっていうところではありますが、授業を行っていて子どもたちの体力の低下は間違いなくあると思います。原因のうちの一つは、子どもたちの遊びの時間にもあるのでは。そこに対して『3ない』って言われるものがあって、まず「遊ぶ時間がない」

えびさわ:みんな塾行きますからね。私立の中学受験をする子どもが増えていますので。

西薗先生:それから「場所がない」

えびさわ:公園が少ないですからね。

西薗先生:であとは、「友達がいない」
一緒に遊ぶ友達が少ない点が原因のうちの一つにはなっています。運動する機会がどんどん減ってきている。
『3ない』とは別に、時代による遊びの変化もありますね。幼い頃はこまやメンコで遊んでいましたが。

えびさわ:メンコもしていたのですか?

西薗先生:僕はやっていましたよ、こまも回していましたし。あと女子だったらゴム跳びとかしていませんでした?

えびさわ:少しはやりました、懐かしいです。

西薗先生:ああいう風にして体を動かす遊びが主流だったのに、今の子ども達ってどちらかというと体を使わない遊びが多いですよね。

えびさわ公園にいてもゲームをやっているし。

西薗先生:体育館で働いている知り合いが言うには、子ども達が集まってきて館内でもゲームをやっている(笑)。

えびさわ:体育館でもゲーム⁉それは初めて聞きました。

西薗先生:遊び方が変わった点が、すごく大きいなあと思います。昔の遊びって言われるものって結局習得型なのですよ。例えば、こま回しや、メンコを叩きつけるのは、実力が上がらないと遊びにすら入れなかったのですね。まず、回せるようになるまでがすごく大変です。

えびさわ:出来るようになるまで、練習するわけですね。

西薗先生:コマの場合は、紐の巻き方から始まり……回せるようになるまで自主練です。出来るようになって、ようやくスタートラインです。今の遊びって、買ってもらえればすぐに遊べる。修行の期間ってなくなったんですよね。今の子どもは忍耐力が足りないと言われてはいますけれども、蓄積されてきた技術がいらない遊びが主流になったことも関係あるかもしれませんね。遊び道具も、すぐに出来るようにならないものは、子ども達に人気がないそうです。だから、昔に比べるとずっと易しく丁寧な玩具が多いですね。

 

-成功体験の積み重ね

えびさわ:今、小学校の先生はすべての授業を教えなければいけないじゃないですか。体育の嫌いな先生もきっといると思うのですよ。体育塾でプロの西薗先生に教えていただくと、子ども達がのびのびするし、できるようになってその成果を実感しているように感じます。今後の体育は専科になっていくと予想をしていますが、その辺についてご意見をお願いします。

西薗先生:小学校の先生は全教科を担当されるので、本当に大変だと思います。で、そこに対して批判するどころか、先生の皆さんに対してリスペクトしているのですが。

えびさわ:時間がない中でも、ものすごく一生懸命やっていただいていつも感謝しています。

西薗先生:授業の工夫もされて一生懸命なのですが、できない子への対応がどうしても……なところがありますね。集団で授業をするので、仕方がないですが。だからこそ、我々のような専門家が学校教育の中に入っていくことで、少しでも体育が苦手な子ども達を救っていけるのではないかと思っています。そういう訳で、専科に関しては僕も賛成ですし、逆にプロが子ども達を教える様子を先生側が見学し、学校教育の方に活かしていただけたらとも。

えびさわ:それはいいですね!現在、体育塾でも跳び箱の指導をして下さっているじゃないですか。先生の授業を見学して、手をつく場所を跳び箱に線を引いて教えていらっしゃいますよね。ああいうコツを子どものころに教えてもらっていたら、きっと跳び箱が嫌いになる子がもっと少なかったのでは。一段目からの横跳び箱は、学校ではあまり習わなかったので、びっくりしています。

西薗先生子ども達って、出来なければつまらないんですよ。それだったらレベルはとにかくまず一旦落としてあげることがすごく大事で、易しくなると「あっ、出来るんじゃないか」って。

えびさわ:そう、成功体験が大事なんですよね!

西薗先生:その成功体験こそが、できないことを乗り越えてやろうって原動力につながってくるので、その体験のベースが積み重ならないと、努力が無駄なんじゃないかと考えてしまいがちです。

えびさわ:ずっと出来ないままだと、不安な気持ちになっちゃいますよね。

西薗先生:努力して達成した経験が増えていけば、たとえ苦手なことにぶつかっても子ども達が頑張れるようになります。そういった意味では体育は自分の体で表現する科目なので、子ども達にとって、最も印象に残る成功体験が味わえるのではないかと思いますね。

 

-インクルーシブ教育であって欲しい

えびさわ:ありがとうございます。これからも、いろんな子ども達に体育を好きになってもらえるような指導をお願いしたいです。それから、先生は障害がある子のスポーツを教えていると伺っておりますが、未来の「スポーツひろば」はどういうところを目指そうとしていますか?

西薗先生:主に専門とするのは発達障害のお子さんです。発達障害がある子どもがすごく増えていることが現状ですが、通常級と支援級といった形でクラス分けするのではなく、同じ場で共に学ぶことが大事だと思います。そのためには発達障害の特性を、学校側がよく知ることも大切です。10年以上も発達障害者の指導を行っていますが、ちゃんと的確な指示さえ出せば、きちんと理解してくれるのですよね。もちろん時間がかかる子もいますが。僕も発達障害児の体育指導の仕方を、直接小学校に行って支援級の先生に教えています。

えびさわ:さすがです!

西薗先生:そこで感じるのは、先生方はあまり子ども達を褒めないのですよね。
特に発達障害のお子さんは先生の指示を聞くことに対しての、成功体験が少ないのですよ。
だから出来た度に褒めてあげるし、体育と同じように低いところからちゃんと始める。

えびさわ:先ほどの跳び箱のお話のように……ですね。

西薗先生:先生の話をきちんと聞けた成功体験が積み上がれば、ちゃんと話を聞けるようになるし。自然に褒めることができるように、日々子ども達のいいとこ探しに努めています。

えびさわ:いいとこ探しは素敵ですね!

西薗先生:常にいいとこを探そうとしていても、悪いところを先に見つけてしまうんですよね、人って。列に並べてないから早くしてくれとか、ちょろちょろしないで先生の話聞けとか。まずそっちを言ってしまうのです。そうじゃなくて……

えびさわ:ちゃんと出来ているときに「よく出来たね!」と。

西薗先生:うんそうだ!て感じで。悪いところを注意するのでなくて、いいところをちゃんと褒めてあげるだけでも、人はぐっと変わってくると思いますので。私はそこを一番大事にしています。

えびさわ:文京区も「個が輝き共に生きる文京の教育」という教育理念としてあげております。これからはインクルーシブ教育っていうのでしょうか、子どもの多様性を認める教育が大事だと思うので、是非子どもたちのためにこれからもよろしくお願いします。

西薗先生:今日も体育塾がありますが、こちらこそよろしくお願いします。

 

-今後の文京区の子ども達について

えびさわ:今後も西薗先生とも一緒に、スポーツを通して子ども達に体力をつけていきたいです。私たちNPO法人大江戸は、最初は私が陸上部だったので走り方を教えていましたが、西薗先生と出会ってから範囲が体育全般にひろがりました。体育が嫌いな子ども達が、少しずつですが苦手意識を乗り越える様子を目の当たりにして、本当に良かったと思っています。今では西薗先生に跳び箱やボール、そして縄跳びもご指導いただいていて、本当にありがたいです!そういえば、今はマット運動も教えていただいていますね。

西薗先生:振り返ってみると、いろんな種目を教えるようになりましたね。

えびさわ文京区では、今は1校でしか教えてもらっていませんが、できればもっと拡げていきたいと思っています。いかがでしょうか。

西薗先生:もちろんです。区内でも1か所だけだと、近くに住む子どもしか通えないことも。「場所が遠いので、行きたくても通えない」などの声も聞いたりするので、ぜひ体育塾を拡げていただいて、そこに私も行かせてもらえたらと思います。

えびさわ:これからも文京区の子どもたち、そして多くの子ども達のためにどうぞ頑張ってください。ありがとうございました。

 


参考リンク

乳がんを克服した話(弘法寺尼僧 小田海光さん)

今回は、弘法寺(港区三田にある)の尼僧でいらっしゃる小田海光さんから乳がんを克服した話を伺いました。
文京区では、乳がん検診や、ウィッグ助成を行っています。


えびさわ:文京区議会議員えびさわけいこ
海光さん:弘法寺尼僧 小田海光さん


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-出家するまで

えびさわけいこ(以下 えびさわ):海光さんは、私の自民党政経塾時代の恩師、深谷隆司(数々の大臣を歴任していた政治家)塾長がお父様です。

弘法寺尼僧 小田海光さん(以下 海光さん):深谷隆司の次女の小田恵理と申します。
ご縁があって主人(小田全宏氏。政経塾の副塾長)が、ここのお寺の館長になりました。私は昨年得度しまして、海に光ると書いて海光という僧名を頂きました。

えびさわ:恵理さんがお坊さんになったと聞いてびっくりしました。遊びに来たときには既に剃髪もされていて驚きましたが、どうして急にお坊さんになろうと思ったのですか?

海光さん:急にではないです。政治家の家に生まれたので、それこそ父の志を受け継ぎたかった時期もあったのですよ。しかし、父の国を思う心や勉強する姿、さまざまな経験をずっと見てきて、これはとても足下には及ばないなと思って、政治家の夢は自然消滅に。それでもどなたかのお役に立ちたい想いはずっとありました。

10年ぐらい前に、自分が寂聴(瀬戸内)さんのような姿で話している映像が、ありありと頭の中で浮かんだのですね。

このお寺は、映画「おくりびと」のモデルになった、納棺師の木村さんという素晴らしい方と知り合ったのですね。
木村さんは弘法寺の代表を務めております。このお寺は霊廟もあり、お亡くなりになった方を大切にして毎日お勤めさせていただくと同時に、生きている人が活き活きと学ぶ昔の寺子屋みたいな場所です。そこの管長にと主人が木村さんからお願いされたため、そのご縁で思いがけず夢が叶うことに。ラッキーということで

えびさわ:まさに「願えば叶う」。それだけ強い願望だったのでしょうね。

-思いがけず乳がんに

えびさわ:お坊さんになったと伺い驚いて会いに行ってみたら、乳がんになられて明日が手術……のタイミングだったので、さらにびっくりしました。

海光さん:いいタイミングでお越し頂いて。ずっとお坊さんの勉強を仏道学院でしてきて、その卒業式とともに得度(僧侶になる第一歩の儀式)を受けた頃に発見しました。その日の朝から儀式もありましたので、何も口にできないし前日は緊張で眠れない。全部が終わった夜に暴飲暴食していたら、急に具合が悪くなっちゃって。病院に行って調べてもただの「食べすぎ」なだけですが、それでもお腹が苦しい。折角なので薬師如来の真言を唱えて、胃をさすりました。ところが、胸に「はっ」と真珠の玉みたいな感じのものに気づいて、きたきた乳がんだと。

えびさわ:びっくりしなかったのですか?

海光さん:今思えば予兆らしきものはありました。その半年くらい前に剃髪を決意した際、なんとなくがんになった時に便利だなと。

また、知人でがんを克服した方がいて、「もう自分は使わないから、よかったらどうぞ」ってカツラを下さったのですね。「彼女は2度とがんになってはいけない人だから、手放したカツラと一緒にがんの縁を断ち切ろう」と思った瞬間に、今度は自分かなって予感がありました。

えびさわ:それですぐに病院に行って、検査されたのですね。それが大切ですよね

海光さん:先生は深刻に「申し上げにくいのですが、これはがんだと思います。」っておっしゃったので、「さっさと切っちゃって下さい。」と。

生きていると色んな捉え方がありますが、例えば死や病気を不幸な出来事として見ていると、全員が不仕合せだということになってしまう。病気もその人の見方で変わると考えていましたが、自分が何の経験もないのに「気の持ちようです、前向きに生きましょう」と病気の方を励ましても、心に響かないじゃないですか。しかし、乳がんになった本人の言葉なのだから、ある意味説得力がある。

えびさわ:そういうことではないと思いますけど、超越してらっしゃいますね。

海光さん:しかも痛くも痒くもないので。前日に気づくまでは、乳がんの存在を知らないですよね、意識の中で。そして取り除いてしまえば、もう乳がんは体内にはいない訳ですよ。手術なので切った痛みはあったとしても、それ以外で辛いとか痛いとかはないです。

えびさわ:早期に発見して全て取って、今はがんがなくなったって事ですよね。

海光さん:親に話す時は悩みましたが、その前に剃髪した事も父には言えなかったのですよ。得度の後もしばらくカツラで通していたのですが、全然気づかれませんでした。とはいえ心にやましいものがある訳です。だけどがんになったので「抗がん剤で髪が抜けるかもしれません。安心して下さい、もうありません」と思いがけず告白できました。

えびさわ:深谷先生、それは驚いたでしょうね‼

海光さん:さすがにその時はしんみりしていました。皆さんには心配かけて申し訳なかったけど。

ある意味、がんになってなければお坊さんになる決心がついてなかったかもしれないですよね。髪を剃ったけどこれでいいのかなといった迷いが、得度した後でもどこかでありました。だけど、乳がんになったことで「ああ、こういう道なのだ」って。

えびさわ:逆に導かれたのかもしれないですね。

海光さん:実際に抗がん剤で髪の毛抜けたりなどの副作用かありますが、私はなぜか分からないけど長年の嗅覚障害が治ったのですよ。5年間くらい匂いが分からなかったのが。

えびさわ:体の全体のバランスが色々と変わったのでしょうか。

海光さん:それは謎ですが。普通は皆さん、抗がん剤で食べられなくて吐いたとかおっしゃいますが、私は打ち始めた時もありがたくて涙が出てきたのね。「誰かが開発したおかげで、たくさんの命が救われているんだなぁ」と。それと同時に今度は匂いが分かるようになったから、何食べても美味しいのですよ。

えびさわ:細胞が活性化されたのでしょうか。

海光さん:多分55年も生きていると、身体中の悪いものがどっかに溜まっていて私の中で結晶化されている。それがポロッと出たというイメージなので。どこも悪いところが無くなったと。

えびさわ:こんなことを言ってもいいのか分からないですが、がんになってまた新たな道が開けてきて、そこから自分が変わった。そんな感覚でしょうか

海光さん:そうですね、入院中もものすごく楽しかった。例えば皆さんががんになって「悲しいし辛い、髪の毛も抜けるし」って不安がありますよね。でも、抗がん剤って終わったらすぐ生えてきますから。乳がん活動を積極的にするつもりはないですが、会った女性には「調べておいた方がいいよ」と自分の体験を話しておけば、少しは誰かのお役にたてる訳ではないですか。

えびさわ:早期発見でそれを取れば、日常を過ごすことができるのですね。

海光さん:セルフチェックはやっぱり大事だな、と思いますね。乳がんに関係なく全てのことにいえますが、特に「これはおかしい」といった自分の心の声にちゃんと耳を傾けることはすごく重要かなと思います。

-ウィッグ助成に関して

えびさわ:文京区でも乳がんなどのがん治療で髪の毛が抜けてしまった人に対してウィッグ助成をしているのですよね。

海光さん:知らなかった、文京区に住んでいるけど。

えびさわ:上限1/2の3万円まで補助しております。今年の5月から始まりました。

海光さん:文京区は素晴らしいですよね、議員の先生方が頑張ってらっしゃるから。

えびさわ:少しずつこれからも頑張っていきたいとは思っているのですが。

海光さん:お役に立てることがあればいつでもおっしゃってください。道を歩いている時はカツラを被っておりますが。

えびさわ:カツラだって分からないものですか?

海光さん:意外と人には気付かれないものです。僧衣姿を知っている方と着替えてからお会いしたことがあったのですが、「初めまして」と皆さんおっしゃる。

えびさわ:カツラを被ることに抵抗があるようですが、周りには分からないものですよ。せっかく「ウィッグ助成金」があるので、しっかりと利用していただきたい。

海光さん:治療の期間が終わればすぐ生えて来ちゃいますからね。その方がいいのでしょうが。

えびさわ:安心して抗がん剤治療も受けていただきたいです。

 

-自分の幸せに責任を取る

えびさわ:今日は学生さんがいるので、ひとことお願いいたします。

海光さん:私はいつも決めていることがあって、今日一日の自分自身の幸せにしっかり責任を取ろうと、いつも決めています

ないものねだりをするよりは、今ある自分の幸せがいかに素晴らしいかということに気が付く。それが「自分の幸せに責任を持つ」っていうことだと思います。

あともうひとつは、1日のうちにちょっとでもいいので誰かに幸せを提供する、つまり誰かのお役に立てることです。

えびさわ:以前にお話しをされていましたね。バスを降りる時に「ありがとう」って声をかけるだけでもいいから、そういう風にして幸せを分けた方がいいって。

海光さん:今日もそうでしたが、えびさわさんは「お時間を作っていただいてすみません」っておっしゃるでしょ。だけど私は「これで人のお役にたてて良かった。今日の人生は完結できてありがたい」と考えています。人への親切は相手のためのようでも自分のためのようでもあり、結局は一対かなと。

えびさわ:非常にいい話を今日は聞かせていただいて、ありがとうを言えるように私もが頑張ります。今日は長時間ありがとうございました。

海光さん:お悩みがあったら何でも、いつでも皆さん弘法寺にお越しいただけたらと思います。連絡いただけたら、すぐ走って僧衣に着替えますので。


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