文京区で“教育プラットフォーム”を目指す(株式会社エデュスタイル代表 槙田 美規さん)

「対談!えびさわけいこが聞きました」
文京区で“教育プラットフォーム”を目指す、
株式会社エデュスタイル代表の槙田さんにお話を伺いました。


えびさわ:文京区議会議員えびさわけいこ
槙田さん:エデュスタイル代表 槙田 美規さん


対談の様子はこちらからご覧いただけます

 

―教育総合プラットフォームを目指す

えびさわ:こんにちは。本日はエデュスタイル代表の槙田さんにお話を伺います。まずは自己紹介をお願いできますか。

槙田さん:槙田と申します。私は小学館で、週刊誌、女性誌、子育ての雑誌、最後の方はデジタルでネットマガジンとかデジタル絵本とかいろいろなことをやってきました。そこを卒業しまして、出版社時代に色々とやり残してきたことを考えて、文京区で起業いたしました。それがエデュスタイルという〈ランドセルナビ〉で、ランドセルを売ったり、入学準備に関するコンテンツを扱うサイトを運営しております。

えびさわ:これがエデュスタイルさんのランドセルですね。これのポイントを教えていただけますか?

槙田このランドセルは、完全に手作りランドセルで、今の子供たちに合わせて、名古屋のランドセル作り五十数年の職人さんと友人のスタイリストにデザインしてもらいました。

えびさわ:すごくオシャレですよね

槙田さん:牛革で、うちのイメージとしてランドセルを作りました。パッと大人の人が革の鞄をイメージするのと違ってずいぶん軽いです

えびさわ:このランドセルは槙田さんにとってあくまでスタートというか、本来は教育のプラットホームを作りたいと願っているということなんですけど、そこにたどり着いたきっかけのお話をしていただけますか?

槙田:出版社でいろいろな取材をしてきたわけですけど、子育ての記事を相当長い間担当するうちに、この30年間で子供の生まれる環境は非常に厳しくなっていると、愕然としました。自分の子供時代と全く違う今の子供たちに対して何か少しでもできないかなと

私の子供時代は暗くなるまで外で遊んで、疲れ切ってウチへ帰って、バタっと寝るような生活をしていたわけですね。ところが今は全然違う。まず暗くなるまで外で遊ぶという子はいませんよね。社会の環境が変わってきて、子供たちが「ドラえもんのような空き地」で遊ぶことが出来なくなり、結局いつも親の管理の中でやらなければいけなくなっている子供たちに対して、少しでも何かしたい。そう思ったときに、何が一番大事なのかなって思いますと、一番は「親」だと思うんですよ。大人の世界でのいろいろな判断基準が、子供に当てはめられているという、すごく辛い状況に気づきました。

―「世の中基準からその子基準へ」

槙田:一つはなんでも「平均はどんなだ、世の中の真ん中はどのへんなんだ、みんなはどうしてるんだ」それに自分の子供を当てはめて、他の子はどうしているのとか、そういうことを気にしながら、それに当てはまらないと「うちの子は大丈夫なのかしら」と思ってしまう。それからもう一つ昔と違うところとしては子育ての情報も、お金をかければありとあらゆる教育を受けさせることができる。にもかかわらず、「これをやれば安心」というアベレージが子育てとか教育に関してはなくなってしまっている

子育ての情報も非常にバラつきがあるので、ベーシックなものとして押さえておきたいところを提供しながら、ネット上でのプラットフォームとして、親たちがみる場所をつくっていきたいなと思ったのが最初のきっかけです。

えびさわ:「世の中基準からその子基準へ」っていう会社の理念が。ものすごく分かりやすいと思います。保護者の方も「周りがどういうふうになっているのかな、うちの子は周りの子と比べて遅れてないかな」ということばかりが気になって、「その子の基準」をなかなか作ってあげられない、その子にとって何がいいのかをなかなか考えてあげられない。どんなふうに子育てをした方がいいかっていう情報を槙田さんが発信してあげられたらいいですよね。

「世の中基準からその子基準へ」っていう会社の理念が、ものすごく分かりやすいと思います。

槙田さん:あと、もう一つ、今のお子さんが昔の子供と違うのは、たくさん大人に出会えていないということですね。小さいうちに。昔は近所のおばさん・おじさん、いろいろな人に関わっていたんですよね。地域で。でも、今残念ながら男の人だと声をかけることさえ出来ない状態です。そういう社会の変化の中で、関われる大人が少なくなってきましたよね。だから、海老澤さんがやっていらしたのも良いなと思ったんですけど、小さいうちからできるだけ多くの大人に出会ってほしいなというのも一つの思いです。

えびさわ文武両道な子供を育てたいというのが私の理想なので、「かけっこ倶楽部」と「体育塾」というのをやっているんですけど、本当に子供たちが忙しそうで…。体育塾にきても「この次〇〇にいこう、さっきは〇〇に行ってきたの」という感じで、子供の時間というよりも、大人によってスケジュールを組まれているので、いつ遊んでいるのかなというのがちょっと心配になっています。

槙田さん:色々調べてみると、運動をしている子の方が成績上がるんですよね。これアメリカではっきりデータが出ていますけども、能力を上げるためにはある程度の遊びは絶対必要で、そういうこともお母さん方にはお伝えしたいなと思っています。

えびさわ:ぜひ、槙田さんが作るプラットホームで発信していただけたらと思います。

槙田さん:とにかく、今のどもたちが置かれている状況が私には厳しく見えるので、少しでも味方になりたいなという思いが一番強いです。

―ランドセル選びのアドバイス

えびさわ:その思いを込めて、まずこのランドセルですけど、ランドセルを来年買うお母さんにポイントを教えていただけますか。

槙田さん:まず「6年間修理対応」がついているランドセルを買ってほしいということですね。細かい機能がどうのっていうのではなくて、6年間修理対応するということは、ある意味「6年間壊れることがないですよ」ということなんですよ。だから、そういうものを選んで頂いて。あともう一つ大事なのは「お母さん、お父さんの考え」ではなくて「お子さんが欲しいというもの」を買っていただきたい

えびさわ自分で選ぶというのも大事なポイントですよね

槙田さん:親御さんからみると「6年生になった時、これじゃ恥ずかしい」と思うこともあると思うんですけど、そう思うことも一つの学び。

えびさわ:なるほど。そういう積み重ねも一つの学習ですよね。あとこれ、お手入れのポイントを…

槙田さん:注意していただきたいことは、ベルトの調節をするということです。

えびさわ:成長しますもんね。

槙田さん:今中に入れるものがとても重たいので、すごく軽く作られているんですけど、それ以上に、背負う時の重心の方が体感重量に影響を与えるんですね。今流行りのダラーんとしたリュックの持ち方、ベルトが長すぎると、重たく感じる。背中がぴったりついて重心が上にくるように背負わせてあげるために、ベルトの調節は常に親御さんの務めとしていただきたい。

それともう一つ大事なのはランドセルカバーなんですね。

えびさわ:ランドセルカバー!? 文京区では新一年生は必ずつけています

槙田さん:良いんですよ。良いんですけど、雨が降って濡れた時に、ランドセルカバーとランドセルの間に水が溜まってしまうことがあります。そういう時に何も考えず放置してしまうと、かびたりしてしまいます。だから、濡れた時は一旦ランドセルカバーを外して拭いてあげるくらいのことはしてあげる、と。大人の鞄と違って汚れ防止の樹脂加工されているからほとんど手入れする必要ないんですよ、だけどランドセルカバーだけは手入れしてほしい。

えびさわ:ランドセルカバー渡すときに、それを言わなければダメかもしれないですね。必ず一年生には送っているので、思わぬところではありました。

―子ども達に平等な支援を

えびさわ:槙田さんは文京区に住んでいらっしゃるので、お互いにこれから情報交換しながら、いろいろなことができたらなと思っています。最後に、槙田さんが目指す教育プラットフォームについて改めて教えていただけますか。

槙田さん:教育のプラットホームというのは先ほど申し上げたように、最低限の親御さんたちがやったこと方がいいことを語る場で、できれば最終的には親御さんたち同士が語り合える場

SNSなども色々ありますけれど、子ども達のために何らかの形で協力体制を作るというのはものすごく大切なことだし、そのために互いの立場を理解し合うというのも大事。

あとは、行政の方にお願いしたいことがひとつありまして…。行政の方はさまざまなクレームに対応せざるを得ないから、どうしても声の大きい人たちの意見ばかりを反映しがちになる。びっくりするようなことを仰る親御さん一人のために物事が変わったりする。よく聞くんですよ「幼稚園で『こういう親』がいるせいで、全部この遊びが禁止になった」というのを。そういうことがないように、うまい手を考えてもらえないかなって、すごく思いますね

えびさわ:本当に、子供のためを思って子供のための政策を考えていけたらなって思いますね。
文京区の中にもいろいろなお子さんがいらっしゃいますが、子供はできるだけ平等にしていきたいなと思いますので、ランドセルを買えるように入学支援や塾の支援などもしており、スポーツの支援もしてあげたいなというのが私の願いです。そのほかにも、今回、全ての子供たちに所得制限なしで3万円を給付します。子供が差別なく成長できるようにしていきたいなと思います。これからも力を貸していただきたいなと思います。

槙田さん:こちらこそよろしくお願いします

えびさわ:本当に今日はありがとうございました。

ライター 木下絢美


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