ロボットを社会インフラへ(株式会社ZMP代表取締役 谷口 恒さん)

今回は、「ロボットを社会インフラへ」をテーマにさまざまな製品を開発している
株式会社ZMPの谷口恒さんからお話を伺いました。


えびさわ:文京区議会議員えびさわけいこ
谷口社長:株式会社ZMP代表取締役 谷口恒さん


対談の様子はこちらからご覧いただけます

-文京区にあるロボットの会社

えびさわけいこ(以下 えびさわ):ZMP株式会社は文京区にある素晴らしい会社だと聞いたので、興味を持って伺いました。谷口社長の自己紹介と、この会社を作った理由を説明していただけますか。

株式会社ZMP代表取締役 谷口恒さん(以下 谷口社長):私はもともとエンジニアでしたが、インターネットに興味を持って、会社を辞めてネット事業を起こしました。アメリカの後追いだったインターネットのバブルが崩壊したときに日本の長所について考え、ものづくりやロボットが強みだと気付きました。それで、ロボットを使った楽しくて便利な社会を作りたいとの気持ちで、会社を設立しました。

えびさわ:宇多田ヒカルさんのプロモーションビデオにも出てきたロボットちゃんを製造されたそうですね。

谷口社長:2001年に「can you keep a secret」で共演させてもらった「PINO」ですね。この人型ロボットを事業化するために会社を作ったわけです。

えびさわ:それから本日に至るまで、「歩行速」ロボットまで開発されたと伺いましたが。

谷口社長人間が歩く時と同じ速度で移動するので「歩行速」という言葉を使っています。人を乗せて移動支援したり、食事を運んだり宅配をしたりする「歩行速」ロボットを開発しています。

-文京区にあるロボットの会社

えびさわ:皆さん、ロボット三兄弟を知っていますか?それぞれ 宅配のロボットの「DeliRo(デリロ)」。歩行速で人を楽に運んでくれる「RakuRo(ラクロ)」。パトロールをしてくれる「PATORO(パトロ)」。現在は各自治体で三兄弟のいろんな実験をしていると伺っているので、その実験の状況などを教えていただけますか?

谷口社長:2019年に警察庁の方に届出をだしたところ、「RakuRo」には人が乗っているから、電動車いすの延長だということで公道での許可がおりたのですね。それで、その年の10月から東京都中央区で住民向けのシェアリングサービスを始めました。これも実証実験を終えて事業として今も継続しています。10分300円、月額11,000で乗り放題の2つのサービスです。お客様はスマホアプリ「RakuRoシェア」をダウンロードしてからカードの登録をしていただくと、中央区のある範囲内を自由に自動運転で移動できます。

えびさわ自宅と病院間の送り迎えも、「RakuRo」でやっていただけると聞いたのですが。

谷口社長:いろんな使い方があって、最初は「高齢者が使ってくださるのかな」と思ったのですが、ちょうど新型コロナが流行りだして、年配の方が外出を控えるようになりました。最初の頃、ほとんどのお客様は小さな子どもでした。親御さんから面白そうだと聞いたので、乗られるところからスタートしました。

えびさわ:で、今どんな人たちが主に利用されるのですか?

谷口社長:今も子どもたちも面白いと思って下さいますが、怪我された方が病院との往復に使ったりするようになりました。最近は高齢者施設とも提携をしまして、その施設の入居者さんが病院や飲食店に行かれたり、荷物をロボットに乗せるために買い物に連れて行かれたりなど、そういうご利用をされております。

えびさわ:これから高齢者社会になっていく中で、絶対必要なものだと思います。乗り心地はどうですか?

谷口社長:非常に乗り心地はいいですよ。このロボットは運転をする必要がないので、椅子をゆったりとさせ、卵の中に人が包まれているようなデザインにしました。

-ロボットの表情の秘密 街にとけこむために

えびさわ:この三兄弟の顔も、社長が考えたという噂を聞きましたが。すごくかわいい顔ですね。

谷口社長:このデザインは自分で考えました。一般の人の前で仕事をするロボットは、工業デザインのようなものではなく、公共性も大事だと思いました。これまでにないタイプなので、コンセプトを他のデザイナーさんに伝えるのも難しい。それで、デザインの勉強をするために、東京藝術大学で学びました。

えびさわ:それで、わざわざ大学で学び直したのですね。

谷口社長:研究をして作った成果物が、この子たち(三兄弟の顔)です。

えびさわ:すごくかわいいデザインですよね。ペットっていう表現が良いかどうか分かりませんけど、一緒に生活できる感じの人間っぽい表情でいいなと思います。

谷口社長:特に目を重要なテーマにしました。最初は工業デザインでシンプルなロボットを、少し可愛らしく作っていたのですが。
会社の近くの細い道で、ロボットの実験をしていた時に、反対側から来る通行人の方が「邪魔をしちゃいけないな」って気を遣って、ちょっとよけたりされるのですよ。ロボットとはいえどもおすまし顔で通り過ぎるのは感じが良くないなと気づいたので、デザインを考え直しました。

えびさわ:文京区は意外と細い道が多いですものね。

谷口社長:その時に謙虚な姿勢を示さないと、「あの図々しい邪魔なロボット」だと覚えられて嫌われたらまずいのではと。また、ロボットの場合は目を付けることで、向かってくる通行人の方に自分はどちらに行くのかを意思表示できます

えびさわ:すごいですね。

谷口社長:アイコンタクトのためですよ。例えばながらスマホで歩いていると、人を見ていないのでぶつかったりすると危ないのと同じ状況なので、ロボットの進む方向が反対側の人に分かるように、目で意思を示したのですね。

えびさわ:これはそういう意味もあったのですね。

谷口社長:道を譲っていただいたときには、ニコッと笑顔でお礼をしたり。それから、実験をしていると興味を持った子どもたちがいっぱい寄ってくるのですね。道の前で子どもたちが立ちはだかった場合、追い払うようにブザーを鳴らすのもかわいそうなので、このロボットが段々と涙を流すように設計しました。

えびさわ:「どいて」って気持ちを表現しているのですね。

谷口社長:ロボットが涙を流した時に「今お仕事中だから、道をあけてくれませんか」と頼むと、子どもたちは素直にどいてくれます。街の中でけなげに働くロボットを作ろうと思って、表情を付けることで周りの人たちと円滑なコミュニケーションができるのですね。

えびさわ:すごいですね。「PATORO」はどうですか?パトロールをするから、時々怒った顔をしなければいけないのではないですか?

谷口社長:これらのロボットは全て、喜怒哀楽の表現を持っています

えびさわ:その喜怒哀楽は「PATORO」が自分で判断するのですか?

谷口社長:はい、そのとおりです。例えばパトロール中に乱暴なことをしようする不審者を見かけたら、ちょっと怒ってみせるとか。他の表現は別にあるのですが、細かいところを三段階に合わせてAIでその周りの様子を見ながら、喜怒哀楽の表現するわけですね。

えびさわ:社長の優しい気持ちがロボットに反映されている感じなのですね。

谷口社長:ロボットは街の中の新参者ですから、周囲の人に受け入れていただくためには、謙虚さがすごく大切だと思うのですね。

えびさわ:ぜひ、せっかく文京区にある会社ですので、一緒に何かできたらいいと思います。これからも情報交換しながら「優しい街づくり」のアイディアを教えて頂けたらと思うので、よろしくお願いします。

-空からのパトロールも

えびさわ:最近は、空の上から見守るロボットも開発していると伺いましたが。

谷口社長:ソニーとの合弁会社で、ドローンを使った「空飛ぶロボット」を開発しました。空から街の見回りをしたり、工事の建設、土木建築建設の経過を測量したり。空からの観察を含めて、立体的に町全体や世界全体を見守るソリューション・サービスを開始しようとしています。

えびさわ:これからも地震などいろんな災害があると予測されますが、現状をドローンで知ることもできるかなと思うので、そんなときにも相談ができたらいいのですが。

谷口社長:ドローンだけでも映らないところがありますので、地面をゆっくりと移動するロボットと連携して、なるべく細かくいろんな面が見えるようにすることが、災害の予知や予防のデータになります。とにかく多くのデータを集めて、異常を感知することが大切だと思いますね。

-未来のロボット事業 観光業にも進出?

えびさわ:これからもいろんなことがロボットで出来ると思いますが、谷口社長の考える未来のロボット事業はどんなものですか?

谷口社長現在、全国で十数カ所、実証実験から実用化に進められるところがあります。皆さんの目的はバラバラのように見えますが、大体共通するものがありますね。人の移動とか、買い物ができない人のこと、家にいながら物が届くなどですね。それから、街の中のパトロールや観光にも使われることがあります。

えびさわ観光でもロボットが使われるのですか?

谷口社長:隅田川で夏の夜景を楽しむツアーや、お花見ツアーがあります。特にお花見はすごく人気なのですよ。

えびさわ:誰がお客様を案内するのですか?

谷口社長:ロボットが案内をします。例えは家族であれば人数分の「RakuRo」に乗って、隊列走行しながら桜並木を観光しますが、大好評です

えびさわ:いいですね!足の悪い人や高齢者の方も安心です

谷口社長:それから去年は、姫路城をぐるっと一周する1,000円のツアーをしました。姫路城は自分で歩くのが意外と大変なのですよ、40分はかかるし坂もある。それをロボットに乗って移動すると、ラクな上に好きなところから写真も撮れます。城内がどうなっているか知りたければ、ゴーグルを覗くとARで様子が分ります。アイディア次第で、ロボットによって街を盛り上げていくこともできそうです。

えびさわ:文京区は坂だらけだから、とても良さそうな感じがしましたね。

谷口社長:だから今度は、お花見ツアーをぜひやりたいと思いますね。

えびさわ:ちょうど桜並木で有名な播磨坂もありますし。いいですね、楽しみがどんどん増えました。今日は本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。


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11月12日(土)にお散歩の会を開催しました

11月12日(土)にお散歩の会を開催しました。

お散歩の会とは、
文化と歴史に恵まれた文京区の気になるところに寄り道しながら、
見て、食べて、勉強して、ぶらぶら散策しながら文京区を丸ごと足で楽しむ活動。です。
※参加される方のペースやその日の進行によって臨機応変に散歩します。

当日の天候は晴れで11月とは思えない暖かい日でした。

お散歩は、本郷三丁目駅に集合してスタートしました。

最初に本郷三丁目にある「かねやす」さんに立ち寄りました。
ここは「本郷もかねやすまでは江戸の内」古川柳で知られている場所です。
兼康祐悦という歯医者が歯磨き粉を売り出したところだそうです。

いつもこの建物の前を通るとシャッターが閉まっているので、とても気になったいました。
こんな歴史的な場所だったと初めてしりました。

現在はその建物の上に、文京区の「高齢者あんしん相談センター」が置かれています。
高齢者あんしん相談センターは、文京区が設置している「高齢者の総合相談窓口」です。

高齢者のご本人だけではなく、その家族のかたや、地域の皆さんが
介護、福祉、健康、医療などを気軽に相談できる場所です。

また、予防給付や介護予防に関するケアマネジメントも行っています。
私は高齢者が安心して住みやすいように、
このような安心相談センターのようなものが広まっていけたらいいなと思いました。

その後しばら本郷通を歩き、「東大赤門」に立ち寄りました。
現在はちょうど工事中でそこから中に入ることが出来ず、残念でした。

「東大赤門」を超えてさらに本郷通を進んでいくと「東大正門」があります。
「東大正門」をくぐって東大の中に入ると、銀杏並木でとてもきれいでした。

土曜日だったので家族連れや一般の方々が多く、銀杏並木をバックに写真を収めていました。

銀杏並木の通りをすぎと、正面には安田講堂が見えてきました。
散歩に参加くださった方に、「僕が学生の頃に学生運動が盛んだったんだよ」と
当時の学生運動の様子についていろいろ教えていただきました。
教科書でしか知らなかったので、今の学生と全く違うんだなと、驚きました。

また、私は東大に入るのが初めてで、歴史を感じる建物ばかりだなぁ~と感じました。

さらに奥に入っていくと、夏目漱石の「三四郎」が舞台となった「三四郎池」がありました。
「三四郎池」と呼ばれているけど、正式には「育徳園心字池」というんだよ、
とエビちゃんが教えてくれました。

最後はカフェラウンジ「BON ART」でお茶をして自由解散となりました。
カフェラウンジ「BON ART」では、ピアノの生演奏聞くことが出来て、優雅な時間を過ごせました。

ライター 日本大学 2年 KK

乳がんを克服した話(弘法寺尼僧 小田海光さん)

今回は、弘法寺(港区三田にある)の尼僧でいらっしゃる小田海光さんから乳がんを克服した話を伺いました。
文京区では、乳がん検診や、ウィッグ助成を行っています。


えびさわ:文京区議会議員えびさわけいこ
海光さん:弘法寺尼僧 小田海光さん


対談の様子はこちらからご覧いただけます

-出家するまで

えびさわけいこ(以下 えびさわ):海光さんは、私の自民党政経塾時代の恩師、深谷隆司(数々の大臣を歴任していた政治家)塾長がお父様です。

弘法寺尼僧 小田海光さん(以下 海光さん):深谷隆司の次女の小田恵理と申します。
ご縁があって主人(小田全宏氏。政経塾の副塾長)が、ここのお寺の館長になりました。私は昨年得度しまして、海に光ると書いて海光という僧名を頂きました。

えびさわ:恵理さんがお坊さんになったと聞いてびっくりしました。遊びに来たときには既に剃髪もされていて驚きましたが、どうして急にお坊さんになろうと思ったのですか?

海光さん:急にではないです。政治家の家に生まれたので、それこそ父の志を受け継ぎたかった時期もあったのですよ。しかし、父の国を思う心や勉強する姿、さまざまな経験をずっと見てきて、これはとても足下には及ばないなと思って、政治家の夢は自然消滅に。それでもどなたかのお役に立ちたい想いはずっとありました。

10年ぐらい前に、自分が寂聴(瀬戸内)さんのような姿で話している映像が、ありありと頭の中で浮かんだのですね。

このお寺は、映画「おくりびと」のモデルになった、納棺師の木村さんという素晴らしい方と知り合ったのですね。
木村さんは弘法寺の代表を務めております。このお寺は霊廟もあり、お亡くなりになった方を大切にして毎日お勤めさせていただくと同時に、生きている人が活き活きと学ぶ昔の寺子屋みたいな場所です。そこの管長にと主人が木村さんからお願いされたため、そのご縁で思いがけず夢が叶うことに。ラッキーということで

えびさわ:まさに「願えば叶う」。それだけ強い願望だったのでしょうね。

-思いがけず乳がんに

えびさわ:お坊さんになったと伺い驚いて会いに行ってみたら、乳がんになられて明日が手術……のタイミングだったので、さらにびっくりしました。

海光さん:いいタイミングでお越し頂いて。ずっとお坊さんの勉強を仏道学院でしてきて、その卒業式とともに得度(僧侶になる第一歩の儀式)を受けた頃に発見しました。その日の朝から儀式もありましたので、何も口にできないし前日は緊張で眠れない。全部が終わった夜に暴飲暴食していたら、急に具合が悪くなっちゃって。病院に行って調べてもただの「食べすぎ」なだけですが、それでもお腹が苦しい。折角なので薬師如来の真言を唱えて、胃をさすりました。ところが、胸に「はっ」と真珠の玉みたいな感じのものに気づいて、きたきた乳がんだと。

えびさわ:びっくりしなかったのですか?

海光さん:今思えば予兆らしきものはありました。その半年くらい前に剃髪を決意した際、なんとなくがんになった時に便利だなと。

また、知人でがんを克服した方がいて、「もう自分は使わないから、よかったらどうぞ」ってカツラを下さったのですね。「彼女は2度とがんになってはいけない人だから、手放したカツラと一緒にがんの縁を断ち切ろう」と思った瞬間に、今度は自分かなって予感がありました。

えびさわ:それですぐに病院に行って、検査されたのですね。それが大切ですよね

海光さん:先生は深刻に「申し上げにくいのですが、これはがんだと思います。」っておっしゃったので、「さっさと切っちゃって下さい。」と。

生きていると色んな捉え方がありますが、例えば死や病気を不幸な出来事として見ていると、全員が不仕合せだということになってしまう。病気もその人の見方で変わると考えていましたが、自分が何の経験もないのに「気の持ちようです、前向きに生きましょう」と病気の方を励ましても、心に響かないじゃないですか。しかし、乳がんになった本人の言葉なのだから、ある意味説得力がある。

えびさわ:そういうことではないと思いますけど、超越してらっしゃいますね。

海光さん:しかも痛くも痒くもないので。前日に気づくまでは、乳がんの存在を知らないですよね、意識の中で。そして取り除いてしまえば、もう乳がんは体内にはいない訳ですよ。手術なので切った痛みはあったとしても、それ以外で辛いとか痛いとかはないです。

えびさわ:早期に発見して全て取って、今はがんがなくなったって事ですよね。

海光さん:親に話す時は悩みましたが、その前に剃髪した事も父には言えなかったのですよ。得度の後もしばらくカツラで通していたのですが、全然気づかれませんでした。とはいえ心にやましいものがある訳です。だけどがんになったので「抗がん剤で髪が抜けるかもしれません。安心して下さい、もうありません」と思いがけず告白できました。

えびさわ:深谷先生、それは驚いたでしょうね‼

海光さん:さすがにその時はしんみりしていました。皆さんには心配かけて申し訳なかったけど。

ある意味、がんになってなければお坊さんになる決心がついてなかったかもしれないですよね。髪を剃ったけどこれでいいのかなといった迷いが、得度した後でもどこかでありました。だけど、乳がんになったことで「ああ、こういう道なのだ」って。

えびさわ:逆に導かれたのかもしれないですね。

海光さん:実際に抗がん剤で髪の毛抜けたりなどの副作用かありますが、私はなぜか分からないけど長年の嗅覚障害が治ったのですよ。5年間くらい匂いが分からなかったのが。

えびさわ:体の全体のバランスが色々と変わったのでしょうか。

海光さん:それは謎ですが。普通は皆さん、抗がん剤で食べられなくて吐いたとかおっしゃいますが、私は打ち始めた時もありがたくて涙が出てきたのね。「誰かが開発したおかげで、たくさんの命が救われているんだなぁ」と。それと同時に今度は匂いが分かるようになったから、何食べても美味しいのですよ。

えびさわ:細胞が活性化されたのでしょうか。

海光さん:多分55年も生きていると、身体中の悪いものがどっかに溜まっていて私の中で結晶化されている。それがポロッと出たというイメージなので。どこも悪いところが無くなったと。

えびさわ:こんなことを言ってもいいのか分からないですが、がんになってまた新たな道が開けてきて、そこから自分が変わった。そんな感覚でしょうか

海光さん:そうですね、入院中もものすごく楽しかった。例えば皆さんががんになって「悲しいし辛い、髪の毛も抜けるし」って不安がありますよね。でも、抗がん剤って終わったらすぐ生えてきますから。乳がん活動を積極的にするつもりはないですが、会った女性には「調べておいた方がいいよ」と自分の体験を話しておけば、少しは誰かのお役にたてる訳ではないですか。

えびさわ:早期発見でそれを取れば、日常を過ごすことができるのですね。

海光さん:セルフチェックはやっぱり大事だな、と思いますね。乳がんに関係なく全てのことにいえますが、特に「これはおかしい」といった自分の心の声にちゃんと耳を傾けることはすごく重要かなと思います。

-ウィッグ助成に関して

えびさわ:文京区でも乳がんなどのがん治療で髪の毛が抜けてしまった人に対してウィッグ助成をしているのですよね。

海光さん:知らなかった、文京区に住んでいるけど。

えびさわ:上限1/2の3万円まで補助しております。今年の5月から始まりました。

海光さん:文京区は素晴らしいですよね、議員の先生方が頑張ってらっしゃるから。

えびさわ:少しずつこれからも頑張っていきたいとは思っているのですが。

海光さん:お役に立てることがあればいつでもおっしゃってください。道を歩いている時はカツラを被っておりますが。

えびさわ:カツラだって分からないものですか?

海光さん:意外と人には気付かれないものです。僧衣姿を知っている方と着替えてからお会いしたことがあったのですが、「初めまして」と皆さんおっしゃる。

えびさわ:カツラを被ることに抵抗があるようですが、周りには分からないものですよ。せっかく「ウィッグ助成金」があるので、しっかりと利用していただきたい。

海光さん:治療の期間が終わればすぐ生えて来ちゃいますからね。その方がいいのでしょうが。

えびさわ:安心して抗がん剤治療も受けていただきたいです。

 

-自分の幸せに責任を取る

えびさわ:今日は学生さんがいるので、ひとことお願いいたします。

海光さん:私はいつも決めていることがあって、今日一日の自分自身の幸せにしっかり責任を取ろうと、いつも決めています

ないものねだりをするよりは、今ある自分の幸せがいかに素晴らしいかということに気が付く。それが「自分の幸せに責任を持つ」っていうことだと思います。

あともうひとつは、1日のうちにちょっとでもいいので誰かに幸せを提供する、つまり誰かのお役に立てることです。

えびさわ:以前にお話しをされていましたね。バスを降りる時に「ありがとう」って声をかけるだけでもいいから、そういう風にして幸せを分けた方がいいって。

海光さん:今日もそうでしたが、えびさわさんは「お時間を作っていただいてすみません」っておっしゃるでしょ。だけど私は「これで人のお役にたてて良かった。今日の人生は完結できてありがたい」と考えています。人への親切は相手のためのようでも自分のためのようでもあり、結局は一対かなと。

えびさわ:非常にいい話を今日は聞かせていただいて、ありがとうを言えるように私もが頑張ります。今日は長時間ありがとうございました。

海光さん:お悩みがあったら何でも、いつでも皆さん弘法寺にお越しいただけたらと思います。連絡いただけたら、すぐ走って僧衣に着替えますので。


参考リンク

第14回 文の京マラソンを開催しました

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えびさわけいこが理事を務めるNPO法人大江戸主催「第14回文の京マラソン」を11月5日に開催いたしました。

多くの皆様にご参加いただきました。
記録はこちらからご確認ください。

どうぞよろしくお願いいたします。

子どもが自分で考え、自分の言葉で意見が言える人になるように(アルバ・エデュ代表 竹内明日香さん)

えびさわ:文京区議会議員えびさわけいこ
竹内さん:アルバ・エデュ代表 竹内 明日香さん


対談の様子はこちらからご覧いただけます

えびさわけいこ(以下 えびさわ):こんにちは。
本日は、一般社団法人アルバ・エデュ代表の竹内明日香さんのお話を伺います。
竹内明日香さんは、『すべての子供に話す力を』の著者でもあります。よろしくお願いします。

アルバ・エデュ代表 竹内 明日香さん(以下 竹内さん):よろしくお願いします。

えびさわ:まずは竹内さんの自己紹介と簡単にアルバ・エデュについて伺えますか。

竹内さん:竹内明日香と申します。文京区には五代前から住んでいます。

えびさわ:五代前ですか、初めて知りました。五代前っていつからですか。

竹内さん:江戸時代です。

えびさわ:すごい!じゃあ根っからの文京区民ですね。

竹内さん:はい、文京区に住んで、子供たちも公立小学校に行って、PTAをしたり、オーケストラを作ったり、このアルバ・エデュという活動で幼稚園から大学まで28校で授業をさせていただいたり。
ルバ・エデュはですね、「子供たちが堂々ハキハキと自分の意見を言えるように」ということを目指して、先生方に検証したり、モデルになるような授業を出前したり、あるいは教材を提供したりしています。子供たちが自己肯定感を育みながら、話す事が苦ではなくなるように、という活動です。

-子ども達と「話す力」

えびさわ:竹内さんは、文京区だけでなく色々な自治体に行ってこの話し方の講座をやっていらっしゃいますが、自治体によって違いはありますか。

竹内さん:今年度は全部で11の自治体に行っていますが、その中でも文京区の子たちは学力も自己肯定感も高い子が多いです。
その反面、この本に書いたのはまさに文京区の子供達についてなんですけれど、何を言ってもいいんだよ、自分の好きなことを語ろうと言っても、「なんて言ったらいいですか」「正解は何ですか」と正解を探ってしまう、それがもったいないなあと思っています。

子ども達はすごい力を持ってるので、話す力さえあれば、もっとパワフルになると思います。そしてそういう子どもたちの周りの大人、保護者のみならず地域の大人も、どうやってその子どもたちをほぐしてもっと戦力にできるか、そういうことを考えて活動しています。

えびさわ:竹内さんの授業を受けた前と後で子どもたちはどんな風に変わっているんですか。

竹内さん:話すことが苦手ではなくなったという子どもたちが増えました。
それだけではなく、例えば(6:54)文京区立文林中学校は7回の授業の結果、一般の教科の学力も上がりましたね。

えびさわ:すごい!

竹内さん:あとは今まさに効果測定を大学の先生方と進めているんですけれども、そこで出てきた結果としては、「何か自分ができるかも」あるいは「自分が世の中のために役に立ちたい」とかそういった感情が芽生えていきます。
これを私たちは〈自己肯力〉と呼んでいるのですが…

えびさわ:〈自己肯力〉ですか?

竹内さん:授業の中で、「世の中は変えられる、そのためにプレゼンがある」と、その言葉を繰り返し繰り返し伝えていくんですね。

えびさわ:世の中は変えられる、そのためにプレゼンはあるんですね。

竹内さん:世の中には言い出しっぺがいて、その人が自分の熱い気持ちを語っているうちに周りの人が巻き込まれて、そうやって少しずつ世の中が良くなっているんだよって。だからね、恥ずかしがらずに言い出しっぺになってね、ということを伝えてきました。

えびさわ:なかなか言い出しっぺになれないですよね。これを言ったら周りになんて思われるかなって気になってしまって…
竹内さんは幼少期を海外でお過ごしになって、そこでは全然平気だったのに日本に戻ってきたらなかなか自分の意見が言えなくなってしまった、というお話がありましたね。

竹内さん:そうなんですよね、自己主張するとやっぱ出る杭が打たれるとうか、周りに合わせてやめたほうがいいんじゃないかいう空気感がありました。
でもそれってとっても危険で、自分の意見をきちんと持たないと流されちゃう可能性もあるわけで。

えびさわ:そうですね。

竹内さん:ですからやっぱりそれは最後の一人になっても反対できる、あるいはもっとこっちのほうがいいかも、というその最初の言い出しっぺになれる、そのことはとっても大事なんだよ、ということを言っていきたい。

えびさわ:すごい、なかなかなれないですよ。

-考える・伝える・見せる

えびさわ:竹内さんの授業を1時間受けただけで子どもたちが変わるそのちょっとしたポイントを教えていただけますか。

竹内さん:最初に世の中がどうやって変わってきたのかというお話をしながら、次にプレゼンのコツを伝えるんです。「考える・伝える・見せる」このスリーステップで積み上げていくと。

えびさわ:「考える・伝える・見せる」ですね。

竹内さん:はい、で例えばパワポの作り方、そのデザインとか絵が苦手でも良いし、大きな声が出ないのだったら発声練習をすればいいし、これらももちろん大事なんだけれども最も大事なのは一番この土台になる“考える力”なんだよ。
それは別に誰かがそれが正しいと言っているとか、こう言っとくとなんかうけるかな、ではなくて自分がこれが好きなんだという強い思いを伝えればいいんだよ、っていうお話をするんですよね。

そうすると子供たちって妙に力が湧いてくるというか、じゃあなんでもいいんだったらこんなこと言っていいですか、素敵だから言っちゃおう言っちゃおう!みたいなことで、だんだんみんなこう、メラメラと楽しそうになっていって、で授業の最後にはなんかみんなキラキラと。

えびさわ:キラキラと、いいですね
みんなこう何かしたいとかそういう心の中の思いっていうのはいっぱいあると思うんですけどそれをこう表現して、表現するんだってことをきちんと考えることを教えるってことですね。

竹内さん:そうですね、せっかく良い物を持っていてもその本当最後の伝える力がないがためにそれがまったく活かされずに、存在してないのと同じになってしまうという状況を私はビジネスの現場でたくさん見てきたんですね。
次世代を担う子供たち若者たちにはそこをなんとかこう克服してぐっと上がっていってもらいたいなって思います。

えびさわ:そうですね、自分たちが夢を掴むためにも自分で自分の心で自分の声で言葉で自分のことを表現していく力をぜひ付けてもらいたいと思います。

-文京区のデジタル教育

えびさわ:竹内さんには文京区がすべての小中学校にタブレットを導入した際、先生方へデジタル教育の指導をしていただきましたが、いかがでしたか?

竹内さん:最初はもうzoomひとつやるのも結構大変だったんですが、あっという間に先生方は使いこなしておられて、そして何よりやっぱり子どもたちは使いこなすのが早いですね。

えびさわ:文京区のタブレット学校教育で課題に感じてることはありますか。

竹内さん:そうですね、電源を入れてからのレスポンスがちょっと遅い機種が入ってしまっていることと、あとは教材やノートを置いてくるっていうことがまだ徹底されていないのでランドセルがものすごく重いんですね。

えびさわ:すっごい重いっていうのは今子供たちに会うたび言われます。

竹内さん:なのであれをなんとか…

えびさわ:そうですね。

竹内さん:デジタル教材の導入もそうですしね、あとはそのメリハリをつけてアナログで対応できるものはしていくとか、そこがうまく調整できるともう少し子供たちの背骨も曲がらなくて済むかなという感じですね。

えびさわ:そうですね、ピンっと。これからやっぱりせっかくタブレット導入されたので、タブレットのリニューアルもそうですけど、やっぱり電子教科書をもっと取り入れて、子どもたちが教科書重いのを持って歩かなくていいような形に私も推進していければいいなと思うので是非またその時もいろいろアドバイスよろしくお願いいたします。

竹内さん:こちらこそよろしくお願いいたします。

えびさわ:今日は本当に色々ありがとうございました。


参考リンク

エビちゃんニュース 2022/10/27

こんにちは、エビちゃん(えびさわけいこ)応援隊です。
いつも、”えびさわけいこ”をご支援頂きありがとうございます。

こんにちは、エビちゃん(えびさわけいこ)応援隊です。
いつも、”えびさわけいこ”をご支援頂きありがとうございます。
先月(9月)のえびさわけいこ通信で連絡をいたしましたが、
「犬猫里親会」開催いたします。
「犬猫里親会」は、本駒込の「定泉寺」10月29日(土)13時~16時です。
もしお時間がありましたら、ぜひ足を運んでください。

えびさわけいこは、これからも応援してくださる皆さんと一緒に、
文京区を「笑顔」の町にしていけるように全力で取り組んでまいります。


1)高齢者スマートフォンデビュー応援補助金

初めてスマートフォンを購入する 65 歳以上の区民に対し、
機器等の購入費(上限2万円)を補助します。
※詳細は、10月25日の「区報ぶんきょう」をご覧ください
※また、「高齢者スマートフォン相談窓口」も毎週火曜日 午後1時~午後4時30分で
シビックセンター4階のシルバーセンターで開催しています。
※詳細はこちら

2)マイナンバーカード交付窓口を開庁します。(11月5日から)

マイナンバーカード交付窓口混雑緩和のために交付窓口を開庁します。
事前予約制です。是非ご活用ください。
※また、マイナポイント第2弾の申し込み祈願は令和5年2月末までです。
マイナポイント申し込みのためには、マイナンバーカードが必要となります。

3)キャッシュレス決済(PayPay)ポイント最大20%還元事業を実施

文京区商店街連合会が、キャッシュレス決済によるポイント還元事業を実施します。
えびさわは、物価高騰を考えて昨年同様に30%還元にすべきと提案しましたが、
20%となりとても残念です。
・令和4年11月 1日~令和4年11月15日(大型店を含む)・・・・10%
・令和4年11月16日~令和5年 1月15日(大型店を含まない)・・・20%
※詳細はこちら

4−1)「新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金」申請期間延長

一定の要件を満たす生活困窮世帯を対象に支給する
「新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金」申請期間を12月31日まで延長します。

詳細は【申請期間再延長】新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金について
また、「住宅確保給付金」の12月31日まで延長します。

4−2)YouTubeを始めました。「エビちゃんねる」をお願いいたします。

えびさわけいこがYouTubeちゃんねる「エビちゃんねる」を開設しました。
えびさわけいこが様々な方に話を聞きに行く「対談」や、大学生の質問に答える
「教えてエビちゃん」などを掲載しています。
是非、登録よろしくお願いいたします。


【お知らせ】『ひまわり会』令和4年の会員の募集をしています。

えびさわけいこ後援会『ひまわり会』は、”えびさわけいこ”の政治活動を支援する会です。

すでの多くの方に入会いただき感謝しています。ありがとうございます。
「皆さまの声を区政に伝える」えびさわけいこを支援し一緒に活動をしていきましょう。
えびさわけいこ「ひまわり会」の公式ホームページからお申込みください

「人を思うことが出来る街へ」を目指して、これからも進んでいきたいと思います。

ペットは家族だからこそ、ペットのためにしつけを(PLSC 上形元惠さん)

今回は、ペットの保護活動をしている「ペットライフサポートカンパニー」の上形元惠さんからお話を伺いました。
上形さんは、10月に開催する「犬猫里親会」で、しつけ相談を引き受けてくださいます。
ペットのためにしつけについて、お話を伺いました。


えびさわ:文京区議会議員えびさわけいこ
上形さん:ペットライフサポートカンパニー代表 上形 元惠さん


対談の様子はこちらからご覧いただけます

 

-「ペットライフサポートカンパニー」の活動について

えびさわけいこ(以下えびさわ):上形(かみかた)さんは、どうしてこの事業を立ち上げたのですか。

ペットライフサポートカンパニー代表 上形 元惠さん(以下上形さん):
ペットライフサポートカンパニー自体は、犬のトレーニング、しつけ、それからお預かりが主体です。
若い頃に仕事の都合で海外出張が多く、当時は3頭くらい犬を飼っていたのですが、トレーナーの方に預かっていただいたのですね。

長期出張していたオーストラリアでは犬の牧場を見学したりして、動物についても学ばせていただきました。そして日本に戻ってしばらくしてから、体を壊しました。休養中に次の進路を考えていた時、犬たちをお願いしていたトレーナーさんにいろいろ教えていただいて、ペットを訓練する今の仕事に決めました。

えびさわ:本来は訓練をするお仕事なのですね。1日でどれくらいお預かりしていますか?

上形さん:今はコロナ渦なのでここ2年は少ないですが、それ以前で多い日は1日で10頭ほどお預かりしていました。仲がいい子同士は一緒にお散歩ができますが、そうでない時は犬の数だけ散歩することもあります。外出することに。

えびさわ:1日中散歩している日もあるのですね、それは大変!

 

-飼い方のポイント

えびさわ:皆さんの中には、犬の飼い方やしつけで悩んでいる人も多いと思うので、ちょっとしたポイントを教えて頂けますか?

上形さん:まずは「人と暮らすために、犬にしてほしい」ことを前提に考えることです。

子犬を飼い始めたとしたら、犬のお母さんがどうやって子育てするかを学んでいただけるのがいいのかなと思います。今、えびさわさんにお世話になり里親さんを探す保護活動をしています。野犬の子をお預かりして、里親さんを探していますが、野犬の子たちは犬の群れの中できちんと育っているので、吠えないし噛まない。ただし、人が子犬の時から育てていると、鳴き声がうるさくて噛むようになります。

えびさわ:私も小さい頃から犬を飼っていたので分かりますが、ものすごく吠えます。

上形さん:なぜ人が育てるとそうなるかというと、子犬のうち「かわいいかわいい」と人は触るでしょ。ところが、犬のお母さんは甘やかしたりしませんから。ちょろちょろして危ないことしていたら「ダメ」と叱る。子犬が遊んでいるときに、横になっているお母さんの尻尾をかじってみて、すごく痛かったりすると怒ります。子犬の方もびっくりしながら「この強さで噛んだらいけない」と学習します。

えびさわ:野犬の子犬が吠えないのも、お母さんから学習するのでしょうか。

上形さん:子犬が鳴き始めたらみんなの居場所が分かってしまうので、「鳴いてはいけない」とお母さんなど大人の犬が教えます。鳴き声が敵に聞こえると襲われるので、吠えるなと。野犬は怖いって皆さんは考えますが、実は大人しいですよ。

えびさわ:吠えないですね。実は何匹もこの周りに犬がいますが、とっても静かです。

上形さん:人間の方に引き寄せるのではなく、「犬を犬としてきちんと育てる」。このポイントを守っていただければ、賢くていい犬に成長するということですね。

えびさわ:私、常に「ペットは家族です、ファミリーです」って言っているのですが、確かに家族だけど人間ではないことを前提にしないと、ワンちゃんや猫ちゃんにいい影響はないのですね。

上形さん:ポイントを捉えてきちんと叱ること、それ以上のことはしないことです。本当に優しくかわいがるとはどういうことかを、考えるようにして頂きたいです。
噛むから、吠えるからそんな理由で動物愛護センターに持ち込まれる犬や猫が増えています。この問題を防ぐためにも、飼い主の方でペットをきちんとしつけることが最も大事です。

えびさわ:それがワンちゃんや猫ちゃんの命を守ることにつながる行為なのですね。これから殺処分0を目指していかないといけないのに、かわいいと思って飼っても「自分になつかないから」と手放してしまう方もいらっしゃると思いますが。

上形さん:今、コロナ渦で犬や猫を飼う方が増えていますが、「おしっこをするからイヤだ」などの単純な理由で持ち込む事例もありますね。

えびさわ:動物だから鳴くし、おしっこやうんちをするのが当たり前。それが分からずに「かわいい」だけで飼ってはだめですよ。その辺を皆さんにも理解していただきたいです。

 

-「犬猫里親会」でペットをお迎えする時

えびさわ:10月に「犬猫里親会」を上形さんと一緒に開催します。
里親会でペットを飼おうと考えている方に対して、何か助言はありますか?

satooyakai_20221029のサムネイル上形さん:保護犬や保護猫がすぐ家庭になじむというのは難しいことなので、保護団体さんとの間でトライアル期間を設けて、その間に一緒に生活していけるかを試していただきます。きちんと動物との相性を見極めていただくことも大事です。

また、せっかくマッチングが成立しても、ペットが病気になったために手放したり、逆に飼い主側の事情で飼い続けるのをやめたりする方もいます。そんなことがないように、一度お迎えしたら最後まで面倒を見て、たとえ自分が倒れてもお世話をする位の覚悟を持っていただきたく思います。

えびさわ:やっぱり命を預かるわけですから、一緒に最後まで過ごす覚悟で飼っていただきたいものです。今度の「犬猫里親会」でもそういう方々に来ていただいて、1匹でも多くのワンちゃんネコちゃんの新しい飼い主が見つかるといいですよね。

上形さん:犬猫を飼いたいけど躊躇している方や、どうやって飼ったらいいのか分からない方もいると思うのですが、ちょっと足運んで頂けるだけでイメージが湧くのではないでしょうか。もしも飼いたいけどいきなりは難しいということであれば、愛護団体さんの中には、預かりボランティアさんを募集している所もありますよ。

えびさわ:預かりボランティアさんは、どんな活動をしているのですか?

上形さん:各団体さんは、既に預かっている動物の数をオーバーしているのが現状です。すると、自分のシェルターだけで置いておけない。そこで保護されている動物の性質を見て、ボランティアさんに預かっていただく活動です。期間については、いろんなケースがありますので一概には言えませんが。

えびさわいきなり飼うという方法ではなく、トライアルで様子を見ることもできますし、預かりボランティアに応募してみるのもいいですね。

上形さん:それも方法の一つだと思います。

えびさわ:少しでも多くのワンちゃんネコちゃんの命が救われることを願っているので、再び継続的に里親会ができたらいいですね。コロナ禍でここ数年は実施できなかったのが残念です。

上形さん:えびさわさんのおかげで今回は場所も決めていただけたので、引き続きよろしくお願いします。

 

-災害時のペットとの同行避難はどうする?

えびさわ:災害時のワンちゃんの同行避難について、どのように考えたらいいのか、アドバイスを頂けますか?同行避難対策として、これからも避難所を増やしていこうと区でも使命があるのですが。

上形さん:東日本大震災のような大きな震災が起きた時にどうするかについて、お話をしたことがありますが、犬にしても猫にしても、日ごろの飼育環境が一番大事になってくると考えています。小さいうちから甘やかして育てると、クレートやハウスに入るということができず、ワンワン吠え続ける。そうなると、大勢の中に入っていくのは難しいでしょうね。「ここに犬いたの?」と周りが感じるくらい大人しくしてくれる方が、安心して避難もできると思います。まずは、その子の一生の中でどんなことが起きるかを考えてしつけをしていく、それが大事です。

えびさわ:その子の一生の中で起きることを想定すると、災害以外にもいろいろとありそうですね。

上形さん:例えば(ペットが)病気で入院することも考えられます。入院しているときにケージに入れられてしまうと、耐えられなくなって治るものも治らなくなる。そんな場面を想定し、どんな時でも落ち着いていられるよう、日頃からの環境とトレーニングが大事だと考えています。

災害時の同行避難の話に戻りますが、避難所が増えていると思いますが、ペット同伴ができる場所なのかを明記することも大事です。熊本の地震の時も、大丈夫な避難所とそうでない避難所があったようです。

えびさわ:ペットがいるから避難所に行きたくない方も、熊本にもたくさんいましたね。車の中で飼っている方もいらしたので、ペットも大丈夫な避難場所をつくる事も大切だと感じました。これから頑張っていきたいと思います。

 

―飼い主さんへの指導も

えびさわ:上形さんとの対談を通して、飼い主さん側にしつけや飼育に関するきちんとした知識を持ってもらうことはとても大事だと実感しています。ワンちゃんのしつけだけでなく、飼い主さんに、しつけの手ほどきもされていると伺いましたが。

 上形さん:ほとんどが飼い主さんへの指導です。預かってトレーニングすると、ほとんどのワンちゃんがちゃんと言うこと聞いてくれますが、おうちに帰るとダメになるというのはよく耳にする話です。それは飼い主さんがなかなか覚えないからです。当社では飼い主さんも一緒に実践しながら指導をします、「こういう時はこうする」と。自分の犬だと甘やかしてしまうから難しい面もあるのですが、日頃から一番お世話をしている方だからこそ、身に着けていただきたいです。

えびさわ:そうですね。これからもぜひ、ワンちゃんネコちゃんのために、ますます良い環境づくりをご一緒にさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。今日はありがとうございました。

文京区では、かわいそうな猫ちゃんを増やさないために、飼い主のいない区内の猫に対し、去勢・不妊手術の一部を助成しています。 ※事前の申込みが必要です


参考リンク

10月29日 犬猫里親会を開催します

 

satooyakai_20221029のサムネイル犬猫里親会を開催します。

・日時:10月29日(土)13時~16時
・場所:定泉寺(文京区本駒込1-7-12)
ワンちゃんやネコと暮らしてみたいとお考えの方、是非お立ち寄りください。

 

エビちゃんニュース 2022/9/27

satooyakai_20221029のサムネイル

こんにちは、エビちゃん(えびさわけいこ)応援隊です。
いつも、”えびさわけいこ”をご支援頂きありがとうございます。

既に7月のえびさわけいこ通信で連絡をいたしました、
「高齢者へのインフルエンザワクチンの無料接種」が10月1日から始まります。
これは昨年、えびさわが要望して実現し実現をしたことです。是非ご活用をしてください。

えびさわけいこは、これからも応援してくださる皆さんと一緒に、
文京区を「笑顔」の町にしていけるように全力で取り組んでまいります。


1)文京区子ども応援臨時支援金 3万円[文京区独自]を実施します

文京区では、文京区独自施策として「全て」の子育て世帯に支援金を給付します。
食費等の物価高騰の影響を受け子育てによる家計負担が大きいことから、
お子さん1人につき3万円を給付します。申請書を12月以降に配布予定です。
(給付対象となる方)
平成16年4月2日から令和5年2月28日までに生まれ文京区に住民票があるお子さん
※障害のあるお子さんについては20歳未満→平成14年4月2日以降に生まれたお子さん
※文京区子ども応援臨時支援金 [文京区独自]

2)高齢者見守り「あんしんライト」事業をスタートします。

65歳以上のひとり暮らしの方、また同一世帯で全員が65歳以上である方に対し、
「無料」で自宅のトイレ等の電球を通信機能と一体化したLED電球に交換します。
電球の点灯・消灯が24時間ない場合、家族等へメールで異常を通知します。
家族等が安否確認を速やかに行えない場合は、委託事業者が代理訪問します。
※詳細は、10月25日の『区報ぶんきょう』をご覧ください。

3)オミクロン株対応2価ワクチン接種に切り替えます。

従来型ワクチンから「オミクロン株対応2価ワクチン」への切り替えます。
9月22日(木)以降に区の集団接種会場において、既に3回目及び4回目接種を
予約されている方は、オミクロン株対応2価ワクチンに切り替えて接種いたします。
(ご予約された日時や会場の変更はありません)
オミクロン株対応2価ワクチン接種について

4−1)スマホデビュー応援補助金をスタートしました。

スマートフォンの利用率向上を図るため、初めてスマートフォンを購入
する65歳以上の区民に対し、機器等の購入費(上限2万円)を補助する。
※詳細は、10月25日の『区報ぶんきょう』をご覧ください。

4−2)犬猫里親会を開催します。

・日時:10月29日(土)13時~16時
・場所:定泉寺(文京区本駒込1-7-12)
ワンちゃんやネコと暮らしてみたいとお考えの方、是非お立ち寄りください。
ご案内はこちら。


【お知らせ】『ひまわり会』令和4年の会員の募集をしています。

えびさわけいこ後援会『ひまわり会』は、”えびさわけいこ”の政治活動を支援する会です。

すでの多くの方に入会いただき感謝しています。ありがとうございます。
「皆さまの声を区政に伝える」えびさわけいこを支援し一緒に活動をしていきましょう。
えびさわけいこ「ひまわり会」の公式ホームページからお申込みください

「人を思うことが出来る街へ」を目指して、これからも進んでいきたいと思います。

経済的な理由で、子ども達が夢をあきらめない支援(教育支援グローバル基金 橋本大二郎さん)

橋本大二郎さんとの対談風景

今回の『対談!えびさわけいこが聞きました』は、
NHKニュースキャスターや高知県知事を経て、
現在は「一般財団法人教育支援グローバル基金」の代表理事の橋本大二郎さんです。


えびさわ:文京区議会議員えびさわけいこ
橋本さん:「一般財団法人教育支援グローバル基金」代表理事 橋本大二郎さん(元高知県知事)


対談の様子はこちらからご覧いただけます(約18分)

 

-恵まれない学生への支援について「ビヨンドトゥモロー」の活動内容

えびさわけいこ(以下えびさわ):まずは「ビヨンドトゥモロー」の内容を、教えていただけますか。

橋本大二郎さん(以下橋本さん):正式名称は「一般財団法人教育支援グローバル基金」ですが、覚えにくいので「ビヨンドトゥモロー(以下ビヨンド)」を通常の活動名にしています。

この団体が立ち上がったきっかけは、2011年3月11日の東日本大震災でした。最も大きな被害を受けた岩手や宮城、福島の子どもたちの支援を目的として、若手の経済人が資金を出し合って財団を立ち上げました。
5年くらいしてから、被災者の支援だけではなく今の社会でいろんな問題を抱えているお子さんに合った応援をしていく形に変わりました。

支援の対象に選ばれた方は、活動期間の1年間は人材育成プログラムにも参加していただきます。1年ごとに対象者を新たに募集していきます。児童養護施設や里親に保護されているお子さん方が対象です。今年度でいえばどちらも12人ずつです。奨学金も少ない額ですが、お出ししています。

-ビヨンドトゥモローの人材育成プログラム

えびさわ:「ビヨンド」の看板である人材育成プログラムの内容について、教えていただけますか?

橋本大二郎さんとの対談風景

橋本さん:コロナになる前ですが、夏はアメリカのニューヨークやワシントン、秋には東南アジア各国に行くプログラムを組み、世界の人とつながる機会を提供していました。それ以外の時期は様々な分野の方に講演していただき、その内容についてメンバーで議論をして、「自分に何ができるか」を学んでいます。ディベートを繰り返す中で、世の中の評価も受けてきたと思います。
また、「ビヨンド」に来てくれる子どもたちが言うには、自分のこれまで育ってきた中で体験したことを学校でも話をしないし、逆にあまり周りに知られたくもない。

えびさわ:今の学生さんは昔に比べて、自分がどう受け止められるかを気にする人が多いかもしれませんね。

橋本さん:大学で授業をしていても、なかなか質問が出ない状況になりますが、特に悲しい経験をしたお子さんはその傾向が強い。だからこそ似たような境遇の子どもたちが集まって、安心して話せるような場を用意しています。最初は知らない人同士だから何となく気まずい感じなのですが。

えびさわ:相手の様子を探りながら、ですよね。

橋本さん:1日もいると高校生や大学生もすぐ打ち解けて、話すようになります。今まで育ってきた環境の中での、苦しみや辛さなどを。例えばもっとすごい経験をした仲間もいて、克服までの道のりなどの話をする中で「いつまでも暗い過去として抱えずに、もっと前向きに取り組もう」と感じ取っていてくれる点は、非常に有意義だと思うのですよね。ちょっと難しい言葉を使えば自己肯定感を育む機会にもなります。そういう状況にあるお子さんは「自分はダメだなぁ」と卑下していますので。

えびさわ:時代の影響もありますよね。

 

-子どもたちの視野を広げるプログラム

橋本さん:そんな子どもたちが自分に自信を持って、自分の道を見つけるようになります。
自分の道といえば、児童保護施設のお子さんに「将来は何をしたい?」と聞くと、ほとんどが「お世話になっている先生のように、恵まれない子どもたちのために働きたい」など、自分の見えている範囲で物事を決めてしまいがちです。えびさわさんもお父様の介護で気づきを得たとおっしゃっていますが、面倒を見てくれたお祖母さまを看取る経験から、看護師を目指したいとか。貧困とか虐待といった状況だと、なかなか出会いの場が少ないと思います。

えびさわ:そのために、限られた中での判断になってしまいますよね。

橋本さん:「自分は〇〇をやりたい」と想いを持つことはとてもいいことです。けれども、もっと多くの物を見れば、別の体験ができて、新たな視点が見えてきます。その視点を通して社会に貢献できて、自分がお世話をしたいと思った子どもたちやお年寄りに対して力を還元できる。その点に気づける人材育成プログラムにしていこうと。

えびさわ:すごくいいお話をありがとうございます。お金をあげるだけではなく、その子たちにいろんな経験をさせてあげて、新しい気づきを得てもらうのは大切なことですね。
私自身もそうなのですが。茨城県の田舎に育ったため、どんな職業があるのかがよく分かっていませんでした。父が教員だったので、学生時代は先生になろうと漠然と思っていました。東京に出てきてたくさんの価値観に触れる中で、様々な仕事を知ることができました。一方で貧困や虐待にあった子は、限られた世界の中で生きていく例も見てきました。そんな子どもたちを海外にまで連れてってあげたり、多くのディベートを経験させたりするのは、彼らにとって世界が拡がるきっかけになるので、素晴らしいですよね。感動しました!

橋本さん:ここ2年は海外も行けないままなのですが、今年度はこれまでのようにアメリカの大都市が無理だとしても、ハワイに行けたらと考えています。なるべく対面でのプログラムを維持しながら、夏以降のプログラムを組んでいきたいと思います。

-経済格差が学力格差に

えびさわ:人材育成プログラムを通じて、
子どもたちが新しい夢を見たり、これまでの自分の夢をさらに膨らませたりできるのは、素晴らしいことですね。
虐待やひとり親、また経済的な理由で自分の夢をあきらめた子どもたちが、似た境遇の子たちと話し合うことで、「頑張ろう!」と、心が明るくなったりするのもいいですね。

橋本さん:その点が一番大切なことだと思います。雑談をしながらコミュニケーションが取れるだけでも、重要なことではないでしょうか。
例えば相対的貧困の話でいえば、学力調査の結果などを見ても、全国の学力テストの正答率と子どもの家庭の所得との間には、見事に相関関係があります。「所得の高い層の子どもが所得の低い層の子どもよりも20ポイントほど高い正答率」といった厳然とした結果が出ているので、ハンデをなくしていくことがとても大切です。機会の不平等をなくしていくことが必要だな、と思っています。

えびさわ:現在文京区では、ひとり親家庭や貧困家庭に、いろんな企業さんからの協賛でいただいたお米などの食品を送る「子ども宅食プロジェクト」を実行しています。すごく喜ばれているのですが、もう1歩すすめて、そこに本や参考書などのちょっとした学習支援ができるよう、さらに拡大して欲しいと考えています。食べ物は大事ですが、心のケアや教育、スポーツのケアまで出来たらいいですね。なかなかそこまで今のところは進まないのですが。

-児童相談所の創設にむけて

橋本さん:インターネットで調べたら、文京区も児童相談所を創設すると伺いました。児童福祉法が改正されて、区の自治体でも造れるようになったので。必置義務がある訳ではないですが。

えびさわ:確かに造らないと宣言している区もありますが、文京区は実現に向けて動いています。

橋本さん:手を挙げて造ろうとされているのでしたら、それはぜひ進めたらいいです。調べてみたら日本の児童相談所の数は、人口がだいたい59万人につき1か所です。そして、欧米諸国ははるかに少ない人口あたりで1か所ずつあります。その位ケアが必要な時代じゃないかなと。文京区は幸いに新聞沙汰になるような虐待事件が起きていない。そんなに急がなくてもいい話ではないかと思います。

えびさわ:文京区も虐待通報や泣き声通報が急な勢いで増えてきております。児童相談所が必要だと私は考えています。

橋本さん:そのためにも、児童相談所という措置の権限もあれば、特別養子縁組を進める際に実の親に対して債務の申し立てなどのいろんな権限がある中で、相談所の存在は絶対に必要です。

えびさわ:一日も早く児童相談所を作ることが私の願いですが、そこにかかる職員が少ないので、他の区と取り合いになりそうです。職員の養成が文京区のひとつの課題で、今は区の職員をいろんな施設に派遣し、しっかりと訓練して立ち上げられるよう頑張っております。

―文京区の里親制度の現実

えびさわ:先ほど先生のお話の中に出た「特別養子縁組」も文京区では実施してはいるのですが、まだ毎年5~6組位でなかなか拡がっていきません。里親の子どもたちが体験を話す機会が年に1回ありますが、その体験談もみなさんがなかなか興味を持っていただけないので、もっと多くの人に知ってもらう必要がある、と私は考えます。

橋本さん:それは文京区だけではなく、日本全体が里親や特別養子縁組を重視しなかったこともあり、地域の中でそういう子どもたちや親にも出会わないので、実感も伴わない。それで、関心も高まらないのではと思うのです。これも海外との比較になりますが、欧米諸国に比べると、保護を必要とする児童の里親への委託率が、日本はもう圧倒的な低さなのですよね。今でも1%に満たない数字だと思います。全世界の動きが家庭での養育を原則とする形に切り替わっている中で、30年も日本は遅れて施設での養育を中心にしている。それをどう変えていくかですよね。
えびさわさんがおっしゃった里親に対しての関心が増えないと。いくら文京区の中で必死になっても、なかなか動かないのではないかと思います。文京区の中で出来ることを考えると、児童養護施設なり乳児院が区内でもいくつもあるかと思います。

さきほどなかなか児童相談所の職員を務められるスキルのある人がいないというお話がありましたが、施設の中には長くかかわっている方もいらっしゃる。

橋本大二郎さんとの対談風景

えびさわ:ベテランの養護施設の職員の方の豊富な経験に、感心させられます。

橋本さん:今の子どもたちが置かれた環境にどう対応していくかを、少なくとも他の人よりは、はるかにご存じです。スキルを更に高めるために国家資格が必要であれば、その中で新しい福祉の資格を作るべく運動する。それは文京区からでも十分できる事です。既に実際に活動されている方はいると思いますが、そういう方と連動していく。「なかなか里親5~6件で進みませんね、それでは何か予算を付けましょうか」と条件を付けて、それで動く類のものでもないと思います。

えびさわ:みなさんのノウハウを広げていきましょうという形で、子どもを真ん中に置いて、政策を作っていく感じでしょうか。

橋本さん:養子縁組だとか里親制度を増やしながら、その一方で、その子どもたちを守っていくセンターとしての児童養護施設、乳児院としての役割を作っていくこと。それこそ経営者の方や上層部にお話しをしていくことが、私は区議の方に必要な役割だと考えます。

えびさわ:ありがとうございます。既に経験している人がいる訳ですから、その人たちの声を広げて、さらにその人たちのスキルを他の人にも共有していくことで「幸せな子」を増やすという考え方になるのでしょうか。

橋本さん:そういうことですね、もっともらしいことを言ってしまいましたが。

えびさわ:やっぱり虐待や貧困で悩んでいる子たちが、自分たちと同じ環境の子が他にもいることに気づくのは、すごく大切ですね。

橋本さん:先ほどもお話しましたが、自己肯定感を強めていくことにも繋がります。

えびさわ:そのチャンスを橋本さんが作っている、ということで、私も一緒に何かできればありがたいですし、ぜひこれから何か手伝えたら嬉しいです。

 

-かわいそうな子どもを支援するだけではなく

橋本さん:もう一つだけ言っておきたいのは、今申し上げたような話をすると、「貧困とか虐待とかの状況にあるかわいそうな子どもを支援する事ですか?」とそう誰でも受け止めますよね。それはそのとおりです。ただ自分がこういった取り組みに10年近く関わって感じるのは、単にかわいそうな子を助けるだけではなく、社会全体として今取り組むべき事ではないのでしょうか。
無邪気に幸せだと思っている幼い子どもたちが、そのまま育っていける環境を創っていく。経済格差や学力格差に繋がるような不均衡な形ではなく、スタートラインはみんな平等に競争していけることが大切です。例えば「数学がとても駄目だから、それなら好きな英語を頑張ろう」など、競争の中で自分の得意・不得意に気づいていきます。

えびさわ:自分の好きな科目や、才能に気づくことさえできない子どもたちがいることは、社会にとって大きなマイナスですよね。

橋本さん:かわいそうな子を助けるといった視点は必要ですが、それだけではなく社会全体のために、そういった子どもたちにいろんな機会を与えて、自分たちの気づきを得てもらう。その支援は非常に大切なことでは。行政でいえばその養子縁組や里親をどうやったら実現できるかを検討していく。行政の取り組みと、「ビヨンド」のような民間の取り組みが相まって、子どもを社会全体で育てる、守るということに繋がっていけるのではないのでしょうか。

えびさわ:かわいそうな子たちをただ支えるのではなく、「この子たちが未来の日本を、文京区を創って行く」
そんな気持ちで周囲がサポートする感じでしょうか。今日はありがとうございました。非常に勉強になりました。

文京区では「子ども宅食プロジェクト」を実施しています。
経済状況が食生活に影響するリスクがあるご家庭
約650世帯のお子さん対して、食品等を配送します。
是非、ご協力をお願いします。


参考リンク

SNS

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